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白の転生譚  作者: 優音 乙菜
第一章 教会
20/67

教会の日常 02

8月29日 投稿

 転生して3年、ハーシェとポルトが5歳になって読み書きの授業が本格的に始まったので、僕もそれにくっ付いて読み書きの勉強を始めた。


 シスター達は、「おや?」みたいな顔をして僕の方を見ていたけど気にしない。


 授業のペースはとてもゆっくりで、1日1文字覚える、程度のスローペースで行われ、全ての文字を覚えるのに大体1ヵ月程度。それ以降は、単語と簡単な文章を中心に勉強している。

 とは言っても、単語は音を習った文字に置き換えるだけだし、文章も、文法何かも元の世界と大して変わらないので、そう苦労は無い。たまに元の世界の文字を使ってしまいってシスター達に「あれ?」って顔をされるけど、今の所はそれ以外の問題は無し、極めて順調だ。


 読み書きの授業以外にも、簡単な算術の授業も行われている。だけど算術は前居た前居た世界とやって居る事自体は大差が無かったので。授業風景を眺めつつ、ボーっとしてた。そしたら、シスターに「大丈夫だ、きっとその内出来る様になるさ」と、言われて一冊の絵本を渡された。


 何か勘違いされている見たいだけど、折角の好意なので、2回目以降の授業はずっとそれを読んで居る。


 本のタイトルは『7聖女の伝説』で、内容は、1200年ぐらい前に実際に実在したと言われている、7人の《聖女》という称号を持つ女の人達が、頑張って、皆が仲良く幸せに暮らせる理想の国を作る物語だ。

 原本は、聖女が旅したそれぞれの国に残っていた記録と、聖女の手記を纏めた十余冊にも及ぶ分厚い本で、それを幼児でも分かるように、面倒な部分や何かを徹底的に端折って、起承転結の全20ページに纏めた物だ。


 そして、その物語の最後で完成した国。『幻想の国メルフィア』が、7聖女の伝説における3つの謎の1つになっている。


 7聖女の伝説における3つの謎とは。


 1つ、【存在するのに、何処にも存在しない国】


 幻想の国メルフィアを訪れた人は「とても美しく豊かな国だった」とか「深い霧の中を歩いていて、霧が晴れたと思ったらいつの間にか国の入り口に立っていた」とか、「再びメルフィアに行こうとして2度目に同じ場所に訪れたら、そこには国は愚か人工物のひとつさえ無かった」等々、皆似たような事を口にする。


 だけど、メルフィアはクリスタリア大陸あるとか、お隣のフィーリスト大陸にあるだとか、その他の大陸にあるだか、各地で目撃情報があり…兎に角場所がはっきりしないのだ。


 昔、シスター2名も一度だけ行った事があるらしいのだけど、深い霧の中を歩き続けて、霧が晴れたと思ったら何故か国の入り口に居て。2度目に同じ場所に行った時はその場所には国は愚か、人工物のひとつすらなかったそうだ。

 それは、嘘でも冗談でも無く、紛れもない真実で、自分でも信じられないけど確かにメルフィアは存在した。とシスター達が口を揃えて言って居た。


 それが、1つ目の謎、【存在するのに、何処にも存在しない国】幻想の国メルフィアだ。



 2つ、【聖女の手記】


 7聖女の伝説の原本が執筆され始めたのは約700年前。当時から姿を現しては消してを繰り返していた、伝説の国に関する資料を纏め始めたのが始まりだと言う。

そして、その原本が完成したのが約500年前、何と200年もの間資料を集め加筆を繰り返して、最後に聖女の手記に書かれていた、聖女達のその後の事が書き加えられて完成した。

 

 だが、その聖女の手記は何処から来たのか?どうやって手に入れたのか。確かに書かれている事実は、メルフィアに訪れた者達が口にした事実と相違は無い。

だが、聖女の所持品と言えば、メルフィアの国宝と言っても良い代物だ。そんな聖女の手記をどのような方法で手に入れたのか?

 

 それが2つ目の謎【聖女の手記】


 3つ、【7人目の聖女】


 最後の謎は、7人目の聖女様。この人に関しては謎が多すぎる。他の6人に関しては詳細に書かれているのに、7人目の聖女様に関しては、異常に記述が少ない。

しかも、物語の最後には、他の6人は幸せに暮らしました。と書かれているのに、この1人だけに関しては、最後に自分の使っていた杖を少女に渡して、消えてしまった。

と言う、何とも微妙な記述しか残っていないいないのだ。


 それが、3つ目の謎。【7人目の聖女】


 

 そしてその、幻想の国メルフィアは、7不思議の1つに数えられている割と有名なお話だ。


 7不思議の内容は、大陸や国、地域によって変わるのだけど、【幻想の国メルフィア】と【浮遊大陸】だけは何処の国でも何処の大陸でも大体同じ。

 何処の大陸や国、地域にでも出現するメルフィアと、世界中を不規則に動き回る浮遊大陸。この2つはどの大陸でも有名なのだ。


 浮遊大陸は、その名の通り空に浮かぶ巨大な大陸で、何故空に浮かんでいるのか?どうやって浮かんで居るのか等が全く分からない不思議な大地で、空を飛べる種族や空を飛べる魔法道具を使っても、何故か浮遊大陸には辿り着けず、それ故に誰も行ったことが無い場所。それが浮遊大陸だ。


 実際に僕も去年の夏頃、遠くの方で飛んでいるのを見た。


 噂では、浮遊大陸には凄い宝物があるだとか、かつて起こった外界の神、邪神との戦いでこの世界の神様が使った拠点だとか。女神様が住んでいるのだとか。色々な話がある。


 どちらも行きたいと思っていける場所では無いのだけど、出来れば何時か観光に行ってみたい。

 願わくば、僕が大人になる前に、その場所までの交通手段が出来ていますように。そう願うばかりだ。




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