表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の転生譚  作者: 優音 乙菜
第0章 再会の26時間
14/67

姉が姉なら、妹も 02

パンツ!

 3月某日 日曜日 早朝


「フッ……良い朝だ……私はここで終わるとしても悔いは無いだろう……本当に良い朝だ」


 柔らかくて暖かい抱き枕を抱きながら、私は思う…何処で間違ったのだ…と。


 ――― 事態の深刻さに気付いたのは、ほんの数分前。


 目が覚めると、私はお姉ちゃんを抱き枕にして寝ていた。寝て居る最中の私は、お姉ちゃんに気付かれずに、お姉ちゃんを抱き枕にする事に成功したらしい。

これは、とても喜ばしい事だった、自分の成長を感じた。目覚めると最高の抱き枕が胸の中……気付いた時は喜びに打ち震えたさ…


 だが、同時に小さな絶望も心の中に芽生えた。私はかなりガッチリとお姉ちゃんを抱きしめて居た、そんな状態お姉ちゃんを離す必要がある。


 …だがそれは無理だ。お姉ちゃんは明け方になって来ると眠りが浅くなる、お姉ちゃんを離す為には、お姉ちゃんの頭の下私にある右腕と、ガッツリ絡んだ両足を引き抜かなければならない。

 そんな事をすれば、お姉ちゃんは起きてしまうだろう…ミッションは失敗だ…どうせ失敗ならとことん楽しんでやろうじゃないか。


 そう思った瞬間に心の中で芽生えた小さな絶望は消え去った。


「むにゅぐにゅ」


 お尻も揉んでいた。


「スーハースーハー」


 髪の匂いも嗅いでいた。


「う゛ーいや~」


 お姉ちゃんが起きそうでも気にしない!


「ぺろぺろpr」


 お姉ちゃん髪ってこんなに良い味がする物だったのか!!


 ふふふ、私は覚醒したのだよ。もう変態と呼ばれようと構わないわ、軽蔑するならすれば良いわ!!


「みゅ~…(もぞもぞ)」


 ヤバイヤバイヤバイ、本当にヤバイ、お姉ちゃんが起きちゃうよ!!!。

 私、本当は変態だなんて思われたくないし軽蔑もされたくないッ!!。今回の事は、本当に出来心だったんです…お願いですから起きないで下さいぃぃぃッ!


「…ん~…………すぅ」


 良かった…起きなかった……って安心してる場合じゃないよ!。まだミッションは失敗と決まった訳じゃない、諦めたらそこで試合終了だ。

 考えろ、考えるんだ私……………あぁ、良い匂い…はっ!!違う。今はこの状況を打開する策を考えなくては。


 私が、集中が続かないこの状況で考え出せた策は3つ


 1.寝ぼけて部屋を間違えた、と言い訳をする。


 これは無しだろう、お姉ちゃんの下着は女物に変わっている、しかも、元の下着は私のパジャマのポケットに入っている。

 これは不味い、非常に不味い。いくらお姉ちゃんでも、これでは私が犯人だと気付いてしまう。だから、この作戦は無し


 2.正直に、添い寝がしたかったと言う。


 これも無し。理由は1と大体同じだ。…せめて下着の事さえ無ければ……いや、悔やむまい。私は男物の下着を穿いたお姉ちゃんも嫌いでは無い、むしろ何か萌えるし滾る…だけど、お姉ちゃんには、女物の可愛い下着を着けていて欲しかったんだ…。


 3.酔っていた。


 この中では、これが正解だろう。気付いたらお姉ちゃんの部屋に居た事にしよう、起きたらお姉ちゃんを抱き枕にしていた事にしよう。ついでに下着の事がばれても酔っていた事にすれば良い。

 この作戦が成立するのは、昨日お酒が私達に振舞われたからだ…そう考えると、お父さんにも感謝しなきゃね。お酒を子供達と飲みたいって言ったのはお父さんだしね!。


 さぁ、方針は決まった。私は寝たフリをして、お姉ちゃんが起してくれるのを待つ。そして、お姉ちゃんを上手く言いくるめてこの状況を打開する!!


 …状況を打開するとは言ったものの、お姉ちゃんって暖かい場所に居るとなかなか起きないんだよね。

さて…どうしたものかねぇ……お尻でも揉もうかしら……。


「むにゅむにゅ。むにぃ」


「う゛~」


 新 発 見 。お姉ちゃんのお尻を強めに揉むと、うなされて私の胸にお姉ちゃんの顔がグリグリと…うへへ……っと、いけない、いけない、馬鹿なこと考えてる場合じゃなかった。


「むにぃ」


「ん゛~」


 うへへ…うへへへへへへへへへへ。


「むぎゅ!」


「ふぎゅうッ!!?」


 っと、いけね~、ちょっと強くやりすぎちゃったよ、起きちゃったじゃん…いや、起すつもりだったから別に良いんですけどね。もうちょっと楽しみたかったとかじゃないですからねッ!……さてと…寝たふり、寝たふりっと。


「ふぇ!?…ふぇ~?…………………ふみょ!!」


 …気付くの遅ッ!!


「ん~~んーーー(ずるずる)」


 …あぁ、お姉ちゃんが私の腕から抜け出していく……胸元が寂しい。


「………………………あえ?、あぁりひゃんがにゃんれこぉに?」


 全然喋れてないから、口回ってないから。ついでに口元ヨダレ付いてるから…これは人の事言えないか、私なんて顔中自分のヨダレまみれだしね☆乾燥して少しかぴかぴするよ。


「おひ………起きて~」


 おいおい、あんまり揺するなよ。実はもうおきてるんだから…さてと、そろそろ起きてあげますか。


「おはよう」


「おはよう。…なんれ……なんで朱里ちゃんが僕の部屋に居るの?」


「…お姉ちゃんと地下室で別れた後、少しの間飲んでいた所までは覚えている…」


 嘘です、実は地下室の掃除をしてました、おかげで地下室は隅から隅までピカピカさ。


「体調は大丈夫?具合悪くない?頭痛くない?吐き気は?」


「うん、ダイジョブだよ」


「よかった~二日酔いにはならなかったみたいだね」


 うわ~、何か罪悪感が…ごめんよ、お姉ちゃん…。


「……あれ?。そう言えば何で僕パジャマ着てない…ん……あれ?…パンツが!?……あれ!??」


 やっと気付いたか…さて、どう良い訳したものか…まぁ、いつも通りアドリブかな。


「朱里ちゃん…これは違うの…何かの間違いだから!!起きたらこうなってたのっ!だから違うの!!」


 ………あれ?、何か良い方向に勘違いしてる?しめたッ!!これはチャンス。私のパジャマの右ポケットに入ってる元の下着さえ隠し通せば…いける!!


 取り敢えず笑顔だ、笑顔でこの状況を早めに終了させる。この状況が長引くのは良くない、何せ私のパジャマの右ポケットには、この状況を一変させてしまう物が入っているのだから。


「大丈夫、きっとお姉ちゃんは、寝ぼけて間違えたのよ。私だって部屋を間違えたのよ、下着を間違える事くらい誰にでもあるわよ。」


「間違えた…寝ぼけて…」


 お姉ちゃんが、膝を抱えて俯いてる……そんなに落ち込まないでよ、良心が痛むじゃない……あと何か興奮する。


「取り敢えず着替えよ…ね」


 そうしたら私は良心の呵責から開放されて、その上お姉ちゃんが今着けてる下着も手に入る…一石二鳥よ!


「…うん」


 本当は『私が着替えさせてあげようか?』と言いたい所だが、そんな事を言ってやぶ蛇になったら嫌なので言わない。


「じゃあ、私も自分の部屋に戻って着替えてくるから」


 下着姿のお姉ちゃんを目に焼き付けてから、ゆっくりと部屋を出る。  

 この後は一度部屋に戻ってから、右ポケットに入った宝物を枕の下に隠して、着替えて再びお姉ちゃんの部屋へ向かう。その後は、お姉ちゃんの部屋で回収ミッションを行う予定だ。


 何か私、今とっても充実してる!!これが生きる実感…素晴らしい物だ。


「ふふふ」 


 思わず笑みが零れた。


自分の事だけど、つい昨日まで後悔を引き摺っていた人間とは思えないわね…


「これも全部お姉ちゃんのおかげ…か」


 1人呟きながら、窓の外を見る…そこから見えるのは、去年の桜の季節とあまり代わり映えしない景色、光を取り戻し再び色づき始めた私の世界。


「うん、今日も良い天気だ」


 きっと、良い一日になる。そんな予感がした。

パァァァァアァァァァンッツ!(発狂)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ