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白の転生譚  作者: 優音 乙菜
第0章 再会の26時間
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桜の苑の… 05

書き方模索中、難しいですね…。

最近では、点の打ち方とか丸の打ち方とかゲシュタルト崩壊ですよ~。

 でもそんな中で変態だけは加速する。

 お花見からの帰り道。食べ物を食べた後で、天気も良くて暖かかったので車の中でつい寝てしまった様です。

 車に揺られていた記憶を最後に、次に気が付いた時は布団の中に居ました。……きっと誰かが運んでくれたのでしょう。


 ……それにしても何だろう、胸の辺りが少し変な感じです。……何だかぞわぞわする。

 そう言えば今日はよく胸を揉まれる日でした、胸の辺りが変な感じがするのはきっとそのせいだと思います。

 朱里ちゃんも変わっています、僕の胸なんて揉んでも面白くも無いだろうに……。


「はぁ、取り敢えず皆の所に行こ…」 

   

 寝起きの足取りでフラフラと部屋を出て、そしてのろのろとリビングへ。


「あら、千歳ちゃん?起きたのね。おやつ有るけど食べる?」


 リビングに着くと皆がソファーに座っていました。きっと僕がおきて来るのを待っていてくれたのでしょう。


「うん、食べる。ところでおやつって何?」 


「玉手箱に入ってた物よ」


「え?洗剤以外の物が入ってたの?」


 それって凄い運が良いんじゃないの?


「何か、特選菓子セットって言うのが入ってたのよ」


「何か美味しそうだねぇ」


「ねー、中身も凄いよ、何か凄そうなのが沢山入ってるよ!!」


「どれどれ見せてー」


「ほらコレ」


 玉手箱の中には、クッキーやパイ、チョコレート、入っている物の種類は至って普通、一般に知られていない様な珍しい種類のお菓子は入っていませんでした。

ですが、一般に出回っている物とは明らかに違う部分があります。


 世界中に、その店在りと云わしめる、その道のプロが日々凌ぎを削り研鑽の歴史を重ねてきた有名店。そんな世界に名立たる名店のロゴがプリントされた菓子袋のパッケージ。

その隣には、この玉手箱をお土産として渡してくれた竜宮院の家紋がプリントされていました。

 

 そして、箱の中には1枚のお品書きが入っていました。そのお品書きを見てみると"特選"とは言葉ばかりの箱の中身の内容。

 これは、"特選"ではなく"特製"です。お品書きに書かれた菓子に関する共通部分の説明を抽出して変換・要約すると。


 竜宮院の依頼で有名店が特別に作ったオリジナルの一品、玉手箱の中にしか入っていない特別製。裏を返せば、コレが入っている玉手箱を引き当てる事でしか食べる事が出来ない特注品と言う事です。


「うへぇ…何か凄いねぇ」


「でしょ!でしょ!、今日はラッキーだったよー。はい、お姉ちゃん、あーん」


 朱里ちゃんはそんな事を良いながら、箱の中のお菓子を1つ手にとって無理矢理僕の口の中に押し込めてきました。


「!?…そんないきなり…ふぐっ!!…むぐむぐむぐ…ゴクリ」


「どう?美味しい?」


「美味しい!…けど、無理やり人の口の中に物を突っ込むのは良くないよ」


「あーんって言った時に、お姉ちゃんがすぐに口を開けないからよ」


 言ってる事が理不尽な気がする…。



 おやつを食べた後、皆で何気ない会話をして、夕食を食べて、お風呂に入って1日目は終わりを迎えようとしていました。


 そして、夜も更けてきた頃。僕と朱里ちゃんは、お父さんとお母さんに連れられて家の地下室へ来ていました。


 家の地下室は、お父さんの強い希望で家を建てる時に作られ場所で、本格的なバーの様な内装と、お店並みの設備とお酒の品揃えがあります。

 両親は、普段お酒を口にする事が無いので、あまり使われる事の無い場所なのですが、今日に限って何故か連れて来られました。


「本当は、お前達2人が大人になるまでここを使う気は無かったんだがな、だけどそれじゃあお父さんの夢が叶えられそうに無いから今日は特別だ」


 お父さんは、少しばつが悪そうに笑ってそう言います。


「昔さ、映画を見てからずっと憧れてたんだ…何時かお父さんも、あの映画の主人公みたいに大人になった自分の子供達と…ってさ」 


「へ~、お酒があんまり得意じゃないお父さんがなんでこんな所作ったんだろう?って疑問に思ってたけどそんな夢があったんだ~」


 朱里ちゃんが、からかう様にそう言うと、お父さんは、少し恥ずかしそうに笑っていました。

 そして、僕達の目の前に琥珀色の液体と丸くて透明な氷が入ったグラスが目の前に置かれました。琥珀色の液体からはフワッとしたお酒の匂いが香ります…度数も結構高そう。


「これは、千歳が生まれた歳に作って貰ったお酒だよ。本当は千歳が20になった時に出そうと思って居たんだけど、ちょっと無理そうだから予定を前倒しだ」


「へぇ~、何のお酒?」


「ラム酒……だと思う。もしかしたら、別の何かかも知れないけど……」


 琥珀色のお酒を少し口にしながら、皆で他愛も無い話をしていて、ふと思います。

 お母さんは何かやりたかった事は無いのだろうか。お父さんはこうして自分の子供達とお酒を飲みたかったと言っていた。そして今はそれをしています。

 

 きっとお母さんにも何かやりたい事がある筈。出来る事なら叶えてあげたい。


「お母さんはしたかった事は無いの?」


「そうねぇ、お母さんはしたかった事は殆ど出来たと思うわ、普通に家族の誕生日を祝ったり、裁縫や料理なんかを2人に教えたり…ピクニックも旅行もしたし…私は満足だわ」


「そうなの?」


「そうよ、お母さんはそんなに変わった事がしたかった訳じゃないしね」


「じゃあ、お父さんは、僕達とお酒を飲む以外にやりたかった事はある?」


「お父さんも、お母さんと一緒で、旅行したり、千歳や朱里と遊んだり出来たから満足かな」


「そっか」


 2人がやりたかった事はもう殆ど出来て居るらしいです。


「私っ!! 私は、まだやりたい事あるよ!」


 朱里ちゃんが、カウンターテーブルから身を乗り出して右手を全力で挙手しながら左手を振って全力でアピールし始めました。

 何かの拍子に派手な転び方をしてしまいそうで、怖いです。


「どんな事がしたいの?」


「今年の分の家族写真が撮りたいのよ、今年はまだだったでしょ?」


 春風家では毎年この時期に、家族写真を撮影しています。1年に一度、桜が咲いている頃の陽気が良い日に、家の前で家族揃って写真を撮る。

 この行事は、僕が生まれる前…両親が結婚した年からずっと行われている春風家の年中行事です。


「そうねぇ、今年はまだだったわねぇ」


「じゃあ、明日の朝が良いんじゃないか、明日も良く晴れるらしいし、千歳も明日の朝までは大丈夫なんだろ?」


「うん、明日の朝7時半頃までは」


「じゃあ、明日も早そうだからそろそろ解散にするか」


「あれ、お父さんもう良いの?」


「正直に言うと、もうお酒が効いてきた」


 お父さんのグラスの中身は殆ど減っていませんでした。…顔には出ていないけど、実際はお母さんに支えられないと歩けないほど酔っていました。

 なので、お母さんの肩を借りて千鳥足で部屋に戻っていきました。


「家の地下にこんな場所作った割りに、お父さんって凄くお酒弱いよね」


「きっと夢だったんでしょ。お姉ちゃんには夢とかないの?」


 …夢かー。考えてみたら、やりたい事なんて無かったなぁ。

 夢と言われても何も思いつきません、小さい頃はヒーローや正義の味方に憧れていた事もありましたが、それは保育園時代の話し。

小学校3年生になる頃には、保育園の頃の夢は消えてしまいました。憧れはありました。でも叶わぬ夢と分かってしまったのです。


 でもその時には新しい夢もありました。パティシエやお花屋さんに類する様なありふれた夢でした。

 でもその夢も中学校に上がり『将来の夢』についての作文を書くときには、いつの間にか消えてしまっていました。今では、その夢が何だったのかも思い出せません。


 夢は沢山の憧れと共に心の何処かで眠りに付いてしまったのです。それ以来将来の夢はずっと迷走中。今は何かしたい事と聞かれても特に何も思いつきません。


「特に無い…かなぁ」


「ありゃ?無いんだ…、転生先では良い夢が見つかると良いね」


「そうだねぇ……ふぁ~」


「何か眠そうだね、明日もきっと早いだろうし今日はもう寝たら?」


「そうするよ、朱里ちゃんはどうするの?」


「もう少しここに居るわ」


「そう?じゃあ、おやすみ~」


 朱里ちゃんはまだここで何かするらしいですが……僕は流石に限界。眠い。

 今日は何でか疲れる事が多かった…うぅ、思い出したら胸の辺りが…早く寝よう、そして忘れよう。


「おやすみ、お姉ちゃん」


 こうして、1日目は終わりを迎えました。

…1日目は……ね。


8/22(土曜日) 改稿

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