第一部「原点主義者」#1
この話は弟と毛布でケンカしたことがきっかけで思いついた話だ。
「このストーリーどう思う?」と友達に話していく内に内容は膨らんでいった。
時系列は近未来ということにしておこう。
建物は全壊、大昔の戦争を再現するビデオで見るような焼け野原。
国民は戦争の原因は知らない。
毛布だ。
毛布のために戦争をしていて軍隊を派遣しているとなると情けないが、仕方ない。
それが真実なのだから。
遠くに停めてあったセレナに乗り込み、何の被害も受けていないはずの空港へと向かう。
…500年ほど前、まだサムライがハラキリしていた頃にこの国は二分した。
貿易だのなんだので戦争し二分されたらしいが、教科書はよく読んでいないから分からない。
その頃は嫌悪な感情に包まれていたということだが、最近は仲が良かった。
伊勢・黒部・琵琶湖」の三つの境界線からパスポートの所持で自由に出入りができた。
使われている言語は同じ「日本語」。
我が一本は島国の西側に位置する。瀬戸内海沿岸から首都圏までの交通がかなり発達している。
そのため瀬戸内海に人口が集中している。首都は明確には定められていない。
国交上は「神戸」だが、文化の中心地は大阪だし、大使館や出先機関はほぼ京都市内にある。
だが、実質的な首都は大阪だ。神戸としながらも国会や省庁はほぼ大阪市内にある。
総理大臣は茨城昇一。西大阪市出身。
隣国の三本は島国の東側に位置する。首都「東京」の界隈はかなり栄えている。
北海道と呼ばれる地区には空港の数がとんでもなく多く、東京まで飛行機で40分。
だが、東北地区には不自然なほど人が住んでおらず、人口密度は0.6人/K㎡。
東京圏は東京都・横浜県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県の一部である。
その東京圏はほとんどが繁華街と住宅街で占められている。とにかく人口集中問題な国なのだ。
……大統領は茨城俊一。一本国西大阪市出身。ご察しの通り双子である。
その双子の因縁といえば格好が付くが、簡単に言えば兄弟ゲンカ。
兄弟ゲンカが引き起こした戦争に少数とはいえ人が死んでいる。
弟の方の親友として恥じなければならない。
……そうこうしている内に空港だ。
最寄の空港をカーナビに選んでもらったが、初めて行く空港にたどりついたようだ。
空港にしては設備はショボい。地方のターミナル駅と同サイズだ。
「宇奈月トロッコ空港」と大きく看板に記されている。
早く乗って近畿国際空港まで行かなくてはならない。
世界放浪から帰ってきた友人と大学時代以来に会うのだ。
次の近空行の便は?とたずねてみると2時間後。
ヒマをつぶしたいが、幸いここにはヒマをつぶせるような場所はない。
ここらは有名な温泉地だったが戦争を車で30分の場所でやっていたのだ。逃げ出してもおかしくはない。
空港や鉄道は戦争に恐れない有志が高額な時給をもらって営んでいる。
車にあったウォークマンを取り出し、何十年も前の曲を聞いてヒマをつぶす。
70年代フォークという普通の人には多分、なじみのない音楽が耳に流れている。
これで終わった。すべて終わったのだ。
戦争の終わった焼け野原の富山の山々を眺め、ふと涙が出てしまう。
完