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メーデー・メーデー・  作者: ありくらげ。
1章メーデー・
7/16

6:契約と自由

朝、目が覚めた。

昨日放課後の帰り道に転校生の少女といきなり契約をしたと思えないほど、いつも通りの朝だ。


「…眠い。」

あんなことがあったのに僕は何も変わらない。


「ピンポーン」

玄関のチャイムがなった。新聞配達かなにかだろう、そう思いながらパジャマのまま玄関を開けた。


「ガチャ」


「おはよう!テータくん」


「バタン。」


夢だろう、先程話してた転校生が僕の目の前に居た。

いや、そもそも住所を教えてなどいないし、気のせいだろう。そう思いもう一度玄関を開けた。


「ガチャ」


「なんで閉めちゃうの!」


閉めようとしたその時ナキアは玄関のドアに足を挟みながら必死に抵抗した。


「なんで!ここにいるんだよ!」


「だって!友達でしょ!」


「友達は玄関を挟んで引っ張り合いなんかしないんだよ!」


「じゃあテータくんが離して!」


「ぼくんちの玄関なんですけどっ!」


お互い譲らない引っ張り合いが数分間続いた後にお互い登校前なのに疲れ切ってしまった。


「はぁはぁ…、」


「はぁはぁ…」

そこには玄関を挟んで息を切らしてるパジャマ男と制服姿の女の子がいるというなんともシュールな時間が流れてた。


「着替えてくるから、家上がって。」


「はぁはぁ、わかった。けど親御さんは?」


「あぁ、今うち親仕事だからいないんだ。」


そういうとナキアは一瞬ニヤっとして

「ナチュラル変態。」

と小声で呟いた。


「聞こえてんぞ。中入らなくていいんだな?」


「あ!入ります入ります!ごめんなさい!!」

ナキアは心にも込めてない反省をしながら玄関に入ってきた。


「バタンッ」


制服に着替え終わって1階に降りるとやはり、そこにはちょこんと元からそこにいましたよ顔で座っているナキアがいた。


「ねぇねぇ!敬語やめたの?」

と唐突な質問。


「友達なんだろ?それに、あの小屋の前でナキア…さんが告白してきたあの時から、なんかめんどくさくなって」


「そっかー」

自分から聞いておいて他人の家のテレビを眺めながらダラダラとしているこいつに少しゲンコツをしたくなった。


「ところで、なんでここがわかったの?」


「え!?知りたいー!?」

ワクワクした顔でこっちを見つめて、その後すぐさまナキアはナキア自身のカバンをガサゴソをいじり始めた。


「えっとねぇ、たしかねぇ、こーこに!あった!!」

そう言って取り出したのは昨日僕が書いた契約書だ。


「ほれほれ〜」

そう言いながら契約書をヒラヒラとしてくる。余計見にくい。


ナキアから契約書をぶんどって中身を見てみた。

「7…なんかあったか?」

そこには

『7:従は主にどんな情報も提供すること。提供される情報は確実性のあるものである。』

と書かれてた。


「おい、書き足しただろ。」


「てへ?」

そう言ったナキアのほっぺたを思いっきり引っ張った


「痛い痛い!でも待って待って! 相手の感情とか気持ちとかあと、裸とかはわかんないからー!」


「そういう問題じゃねぇ!」

もっと強く引っ張った。


「痛い痛い痛い!!」


ー登校時間


二人で登校してるとやはり周りからの視線は転校生のナキアに釘付けだ。

まるで大人しい、清楚系キャラのアイドルのファンサみたいな手の振り方をするこの転校生が、実は個人情報を買って盗んでその盗んだ情報で乗り込んでくるバカとは誰も思わないだろう。


「ゲシッ!」


「痛!」

まるで心が読めるかのようにムスッとした顔で僕の後ろふくらはぎを蹴飛ばしてきた。


ほんとーに心読めないんだろうな?


校門につくと何やら色んなところから視線を感じる。

その視線はナキアに向けたもので、先程の登校時とは明らかに違う視線だ。


下駄箱に行って、履き替えた後二人は廊下でざわつく集団とその風景を確認した時衝撃を受けた。


「『転校生…狩り?』」


そこにはA4のポスターで『 最近転校してきた少女、ナキアはAクラスに編入してきたが、実は【能力不所持者(イナビリティ)】であると言う噂がされている。

もしそれが事実の場合、あってはならない重大違反となる。

もし、その転校生を見つけ、自分たちに届けた者がいたなら賞金をやろう。 【M()O()J()】より』

そう書かれていた。


すると突然


「【FLOAT(フロート)!】」(浮かべ!)


という声が響き渡り 小さな砂の粒子が一つの塊となって宙に浮いていた。


「【FLY(フライ)!!】」(飛んでいけ!)


その発言と共にその砂の塊はナキアに目掛けて飛んできた。


僕はナキアの腰に手を巻き


「【ABNOTEMPO(アブノテンポ)RALITY(ラリティ)】」(一時的で完璧に求めた異常)

「【LIQUID(リキッド)!!】」(液状化!)

そう唱えて、ナキアと共に液体と化し、砂の塊から、逃げながら集まっていた人々の足を次々と避けて

自分たちの教室に逃げ込んだ。


「【CANCEL(キャンセル)】」(戻れ。)

そう呟いて、液体から元に戻った。


その教室はやけに静かでいつもみたいにざわついてすらいなかった。

それもそのはず担任の笛田が教卓に立っていたからだ


遅刻では無い、あまりの異常さに先生たちも動かざるを得なかったのだ。


「ピピーッ!!」

と笛田は笛を鳴らし


「テータ、ナキア2人は黒板の前に立て、その他はそのまま席にいろ。」

と命じた。


まるで裁判のようだ。

いつもダルそうにしてた笛田の目は今日は一段と怖く見えた。

ありくらげ。です

感想、ご質問受け付けております。

ストーリーに干渉しない程度の質問にはお答えします。

ではまた。

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