4: 悪魔となった日
「…何か変わった?」
ナキアは能天気に語る。その顔には仮面が付いてると知らずに
「顔触ってみたら」
僕がそういうとナキア恐る恐ると手を震わせて顔に手を当てて仮面が付いてるという違和感に気づいた。
「なに…これ…?」
ナキアはつけている仮面をゆっくりと指でなぞる
「これが本来の君の能力?仮面をつける能力…な訳な訳無いよな」
「分からない、使った覚えがないから」
戸惑いながら、答える。ちゃんと意識はあるらしい
ナキアは仮面を顔から離して、禍々しいヤギの仮面だと目を合わせて視認した瞬間、その場でカクンッと顔をあげたまま立ち止まってしまった。
「おい?ナキア…さん?」
ゆっくりと近づきながら上を向いたままのナキアの目元に手を振ってみたが、確認が取れない。
「あと、もう少しで、休憩時間終わるよ…。」
そう僕が呟いた 数十秒後
ハッとナキアは目を覚まし 周りをキョロキョロと確認して目の前にいる僕を見た後、一息つきながらへのへのとその場で腰を抜かせた。
「ナキアさん?大丈夫??」
心配しながら様子を伺った
「あ。う、うん!大丈夫!!」
明らかに様子がおかしい状態で僕に答えた。
迷惑かけないようなのにそう答えてくれたのだろうが余計に心配してしまう。
「手、いる?」
そう言って腰を抜かせたナキアの目の前に手のひらを差し出した。
ナキアは少し戸惑いながら
「うん。」
と答えて差し出した手をゆっくりと掴んだ。
立ち上がった後ナキアはおしりについた砂をパンパンと手で叩き、少し考えるように何も無い下に俯いてしまった。
ナキアとっては恐怖と疑心でいっぱいいっぱいになったのだろうと自己解釈をして僕はその場から離れなかった。
「あ、あのさ放課後良かったら時間くれない?」
ナキアは勇気を振り絞ったのだろうと分かる声を出した
「わかった。」
能力のことだろうと確信を持ちながら震えるナキアの手を優しく握った。
「あ、」
ナキアはやっとちゃんと意識を取り戻したのか手を引っ込めてしまった。
「そ、そろそろ!休憩終わっちゃうよ!」
「そ、そうだな。」
気まづい感じになってしまった状態で僕とナキアは教室へと戻った。
―確かに、羊とも捉えれる禍々しいヤギの仮面を思い出しながらノートに落書きしてた。
仮面…ヤギ…顔…うっ黒歴史がっ!
僕は中学生の頃誰が見ても分かりやすいほどの厨二病だった。
僕だけが特別な能力だ。と言わんばかりのドヤ顔で
黒魔術の本や悪魔の本などを買い漁っては 本だけの知識をペラペラと語ったり
街ゆくカップルを見てはボソボソと黒魔術を唱えたり
そんな中学時代を過ごした。
なぜそんな黒歴史を思い出したかと言うと
ヤギの仮面、いや山羊の顔をした悪魔を知ってるからだ。
(…バフォメット。)
その悪魔の名前を頭に思い浮かんだ。
ということはナキアの能力は黒魔術か…?
「…タ! テータ!!」
「はい!黒魔術!!」
大きい声で僕の名前を呼んだ先生へ咄嗟に変な回答が出てしまった。
クラス全体がドッと笑いに包まれた。
「テータ、ちゃんと話を聞くように!」
先生から忠告を受けた僕を隣にさっきまでの不安感が消えたように純粋にクスクスと笑ってるナキアを横目に僕も少し笑みがこぼれてしまった。
…それはそうと黒歴史が追加されたな。




