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「それ」はやってくる
警告灯はその役目を果たすために紅く点滅を繰り返していた。大きく鳴り響くアナウンスに彼女は顔を顰めながら対応する。
「うるさいわね、わかってるわよ!本当、こんなもの作るから全てが狂ったのよ」
窓の外には極彩色の中にたくさんの景色が広がっていた。
あれはどこかの農場のサイロだろうか。おそらく現代にはいない大型動物、近未来的な高層ビル、木造の海賊船のようなものも見えた。だが彼女にそんなものを見ている余裕などない。真っ赤に染まる車内で対応に追われている。結論からいうと、彼女一人に全てを対応するなど酷な話だったのだ。
『緊急不時着をします。強い衝撃に備えてください』
「ちょ、ちょっと待って!もう少しだけ先へ行って!お願い!」
銀色の筒のような形をした「それ」は、プシューッ、と煙を放つような大きな音を立てながら極彩色の中を突き抜け、どこかの山の中へと墜落した。




