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In the luce  作者: RRR
二年生編
55/57

episode28

文化祭前日。学校中が準備に追われ廊下には笑い声と道具の音が溢れていた。


生徒会室を出た梨々香と麗は、少しだけ息を抜くようにクラスの教室を覗いた。去年と同じメンバーで過ごしてきた空間は今年もにぎやかで、懐かしさすら感じる。


「…ちゃんと進んでるみたいね。よかった」と麗が微笑むと、梨々香も柔らかく笑った。




「うん。メイド喫茶、楽しみにしてくれてるみたい」




教室の隅には、二人分の衣装が丁寧にハンガーにかけられていた。




黒と白のレースに包まれた、それぞれに合わせたサイズのメイド服。


「これ…私たちの分?」梨々香が目を見開くと、クラスメイトが申し訳なさそうに笑って寄ってきた。


「ごめんね、シフト入れないのわかってるんだけど…せめて校内を回るときに、これ着て宣伝してもらえたらって思って!絶対似合うから!」





麗と梨々香は顔を見合わせ、少し戸惑いながらも頷いた。





「こちらこそ全然参加できなくてごめんなさい。


そんなことでよければ勿論協力するわ」





そして二人が控室で着替えて姿を現した瞬間、教室がざわついた。


「やばい…本当に似合ってる…!」

「なんかアイドルのプロモーションみたい…」

「え、てか写真撮ってもいい!?」






控えめなフリルが付いたエプロン、清楚で可愛らしい黒のワンピース。




梨々香は照れ隠しに髪を耳にかけ、麗はちょっと気恥ずかしそうに首をすくめながらも、しっかりと姿勢を整えていた。





一方――。


教室に入ろうとするも騒がしい様子に蘭は人目を避けるように、少しだけ首を傾けて教室の中を覗く。


――可愛い。


その言葉が、自然と心に浮かんだ。

梨々香が、照れながら笑っている。

楽しそうに麗と話している。

それだけで、胸が締め付けられる。


手を伸ばしても届かない距離。

もう、自分のものじゃない笑顔。

自分から手放したくせにと心が囁いてくる

それでも、蘭は目を逸らせなかった。


けれどすぐに背を向け、何事もなかったように歩き去っていく。


まるで、その気持ちを隠すように。






そんな後ろ姿を梨々香は無意識にじっと見つめていた

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