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In the luce  作者: RRR
二年生編
39/57

episode12

夏休みも終わりが迫り日々の忙しさが戻ってきた。


星羅学園の敷地にも蝉の声が遠のいて朝夕の風が少しだけ冷たくなる。

夏祭りでの思い出は心の中でそっと輝きながらふたりの日常に戻っていった。


テニス部の副キャプテンであり生徒会でもある梨々香は連日の朝練、予算会議や部内会議で夏休みもスケジュールはぎっしり。


一方蘭も、初めてのダンス大会が迫りダンススクールでは遅くまで自主練を重ねていた。


「ごめんね、最近なかなか時間作れなくて……」


カフェテリアの隅にて梨々香と蘭はたまたま出会い傍にあった椅子に腰かける。

梨々香がそう呟けば蘭はカップに口をつけながら微笑んだ。


「それは私の台詞。……でも、少しの時間でも梨々香に会えるだけで元気出る」


「……私も」


そう言って手を握ると、ふたりの視線が静かに交わる。

言葉を交わさなくても、温もりが心を満たしてくれる。


そして数日後。


「……え?」


それは、練習後に蘭が手帳を確認していたときだった。


「うそ……私の大会の日と……梨々香の試合、同じ日……」


そのことを知ったとき2人の間に沈黙が流れた。


「……行きたかった。蘭の踊るところ、初めてなのに」


「私こそ、梨々香の試合を見たかった……応援、行きたかった」


唇を噛む蘭に、梨々香は微笑んで首を振った。


「……でも、いいの。蘭が頑張ってること、私はちゃんと知ってるから」


「……私も。梨々香がどれだけ頑張ってきたか誰よりも知ってる」




強がりではなく本心だった。

離れていても、心は確かにつながっている――それをふたりは、あの夏で知ったのだ。


だから、当日。


それぞれの場所で、ふたりはそれぞれのユニフォームに袖を通す。


鏡の前で髪を整える蘭。

「……梨々香、見ててね」

そう呟いて、ステージへ向かう。


コートの前で深呼吸をする梨々香。

「蘭……あなたに恥ずかしくないプレイ、見せるから」


――ふたりの距離は離れていても想いはすぐそばにあった。



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