誰の生首?
※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。
誰の生首?
「勝男が誰の生首を離れに持ち込んだのか?」神が言った。
ええ
探偵が笑った。
「それが密室トリックに繋がると?」
そう考えています。
神はそれが誰の生首かは見ていないが、予想は付いているんでしょう?
「なるほど、神の予想ですか? 探偵も推理できてるんでしょう?」
ええ
では、せえの、で言いませんか? 勝男は誰の生首を離れに持ち込んだのか?
せえの!
「旧姓祐天寺良美!」
神と探偵は同じ答えを声に出した。
なるほど!
これで密室トリックがわかりますよね?
勝男は自分の妻――旧姓祐天寺良美の生首を半透明のポリ袋に入れて離れに持ち込んだ!
神は見てはいないがそう予想した!
「ええ、探偵もね。流石は名探偵!」
しかし――
探偵は嬉しそうに神に訊く。
神はどこかでこうもいいましたよね? 勝男が離れに持ち込んだのは――
――良美ちゃんでないのは確かです――
確か、神と探偵の対話、という章だったと思いますが……
「確かにそう言ったかもしれません」神は笑った。「やはりあなたは名探偵なのかもしれません」




