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求めよ、さらば与えられん  作者: 尾崎諒馬
介錯を期待するのはやめて真相を語ろう……
58/96

姉良美を殺害したのは誰だ?

 ※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。 

 

 

   姉良美を殺害したのは誰だ?

   

 まるで――

 

 探偵は何と言い掛けたのだろう?

 

 まるで、犯人が自分の犯罪を隠蔽するかのように――

 

 そう言い掛けたのだろうか?

   

 あのミステリーの中で……

 

「姉さんの旦那が姉さんを殺したかもしれない。完全な密室というミステリーを書いた坂東善が……」そう良美ちゃんは言った。


 姉さんの旦那が姉さんを殺したかもしれない。

 

 確かに良美ちゃんはそう思ったのだろう。

 

 彼女がクーラー・ボックスの中に姉良美の生首を認めた時……


 殺したのは水沼=坂東善で……

 

 首を撥ねたのは勝男……

 

 そう確信したのだろう。

 

 しかし……

 

 彼女のそのセリフの語尾は……

 

 かもしれない……

 

 姉良美殺害の犯人は水沼=坂東善かもしれない……

 

 ということは裏を返せば……

 

 犯人は水沼=坂東善ではないかもしれない!

 

 いや、尾崎凌駕が手記の中で自分が殺したと自白している。

 

 しかし――

 

 それが嘘だったら……

 

 このミステリーは嘘で塗れている。

 

 尾崎凌駕の独白がもし嘘だったら……

 

 犯人は水沼でも尾崎凌駕でもなく……

 

 ああ、そうだ!

 

 尾崎凌駕が自白している章のタイトルは……

 

  首無し死体と耳の形、そしてカルディナ

 

 しかし、その章の本文にはカルディナは出てこない!

 


 車は少し離れた空き地に止めている。私の車は……


 いや、もうこの辺でやめておこう……

 

 おそらく、誰かに見られているだろうな。



 ただ、それだけあって、尾崎凌駕の車が一体何であるか? それは語られていない!

 

 誰かに見られているな――誰だろう?

 

 見たのは誰だ?

 

 カルディナに乗ってきていた誰か……

 

 ひょっとしたら……

 

 どこかにAIがこう書いていたはずだ。

 

 そうですね、首猛夫が尾崎凌駕を守ろうとしたという解釈は、作品の文脈から見て非常に説得力があります。

 

 ここでの首猛夫は私、尾崎諒馬だ。

 

 AIは作品の文脈から見て「私が尾崎凌駕を守ろうとした」そう判断した。

 

 しかし、逆だろう!


 尾崎凌駕が私、尾崎諒馬を守ろうとしたのだろう。

 

 つまり、彼の自白は私を守るための嘘……

 

 そういうことなんだろう。

 

 カルディナに乗って現場にやってきていたのは……

 

 私、尾崎諒馬なんだろう……

 

 ただ……

 

 そのことを私は思い出せない……

 

 その時の……

 

 姉良美――佐藤良美、旧姓尾崎良美の殺害現場にいたかもしれない私の人格は決して統合されることはない。私はその時のことを決して思い出すことはない。

 

 だから自白は出来ないが……

 

 そう推理することはできなくはない。

 


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