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求めよ、さらば与えられん  作者: 尾崎諒馬
介錯を期待するのはやめて真相を語ろう……
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死刑囚の手記の真相

 ※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。


 

   死刑囚の手記の真相

   

 私がその医療センターのSEとして勤務し始めて、最初の仕事の一つが、一人の患者に特殊なパソコンを与えてその面倒をみるというものだった。

 いや、私は何が何でもその仕事をしなければならなかった。

 正直に書くが、その患者が水沼=坂東善なのか? それとも殺し屋首猛夫なのか? ハッキリとはわからない。ただ、尾崎凌駕がその患者に名前を尋ねた際に「佐藤稔」と答えたというのが本当ならその患者は水沼=坂東善だったのだろう。

 彼に私が与えたパソコンには細工がしてあった。一見、視線で操作できるように見せかけてあったのだ。私がソフトをハックして視線制御をできなくして、更に勝手に制御を横取りできるようにしたのだ。

 警察が供述を取る際、私もサポートとして同席したが、彼はそのパソコンで、

 

 まるで探偵小説のようなこの世界において――

 世界の悪意のすべては私が引き受けます。


 そう綴った。

 

 いや、その文言は私が仕組んだのだ。

 

 私が勝手に制御を横取りして、あたかも彼が視線で操作してそう綴ったように見せかけたのだ。

 彼の顔は焼けただれ、表情は読み取れなかったが、恐らく、目の前で起きている現象に絶望したことだろう。

 彼に自由に文章を紡がせることは絶対にできない。私は自分のコンピュータースキルによって、彼の意思を完全にコントロールできたのだ。

 彼は私が与えた特殊なパソコンを介してしか意思表示できなかった。そしてそのパソコンは予め私が仕込んだテキストを出力することしかできなかった。

 

 彼は結局何も文章など綴ってはいない。

 

 あのミステリーの中での死刑囚の手記は私が捏造したものだ。

 

 私は完全にミステリーの世界にいた。

 

 現実の事件にリンクしたミステリーを書いていた。

 

 死刑囚の手記はそのミステリーの中の作中作だった。

 

 すべてはフィクション……

 

 但し、現実の事件とリンクしている。



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