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お米がなければ和菓子を食べればいいぢゃない!

作者: 1Q七一(いちきゅうなないち)

どこかで聞いたことがあるようなお姫様のお話・・

 

 昔、ある島国にワガママなお姫様がおりました。


 その頃国は、天候不順により大飢饉。

 国民たちは米が思うように栽培できず苦しんでおりました。


「お米がなければ、和菓子を食べればいいじゃない!」


 お姫様が公式に発表したからもう大騒ぎ。

 財政大臣がお姫様に意見しました。


「姫、国民が憤慨しておりますぞ!各地で武装集団が勃発し軍隊だけでは鎮圧できません」


 姫様は手にしていた食物を大臣に手渡して言いました。


「これをタネにして国民に栽培を推奨するのぢゃ!」


 それは姫様が独自の流通経路で入所した”さつまイモ”というモノでした。


 どんな劣悪な環境でも栽培がしやすいと分かると、あっという間に広まりました。

 そのまま食べても美味いのですが、姫様は小麦を焼いた生地ですりつぶして少し熟成させたイモを包む簡単な和菓子を提案しました。


 その”すぅい~と饅頭”(姫様命名)は国民たちに受け入れられ大ヒット商品となり、飢えを救うどころか経済的にも発展してしまいました。

 派生品も続出し、特に美味でほんのり甘い”イモ酒”が大いに売れまくりました。


「栄えるのぢゃ!」


 姫様の人気はうなぎ登り。


 しかし困ったことが起こりました。


「酒があまりに広まってしまい、国民たちが酒浸りでニートが増えております」


「禁酒法の発令ぢゃ!」


 姫様はさしてお酒には興味がなかったのですぐに号令を出しました。


 しかし国民は大いに不満。

 密造する組織が増え治安が乱れるわ、経済は混乱するわでさぁ大変。


 悪い事に周辺諸国も経済が混迷し世界的な大不況。


 この島国の大商人、”イモ成金”たちも一気に破産し、人生のズンドコに落とされました。


 自ら命を絶つ者も少なくありません。


 好景気で賑わった大都市の”商人通り”は、破産した商人の屍と失業者であふれました。


 財務大臣がお姫様に意見しました。


「姫、このままでは国の財政も破綻します。なにか次の手を!」


 これは国民たちも同じ気持ちでした。


 あの飢饉を救った救世主であるお姫様の新しい国の体制の発表がある。


 国民たちは期待を胸に、姫様の発表を固唾を飲んで見守りました。


 姫様は以前にも増して、意気揚々と発表しました。


「お金がなければ、おさつ(・・・)をふやせばいいぢゃない!?」




読んでいただいてありがとうございました。

面白かったらコメントくださいね!

えー、オチは"おさつ"ですw

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