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凡才は魔界の外に生きる  作者: 木林林檎
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プロローグ

プロローグ


 これは、今ある世界とは別の世界。いわばパラレルワールドのような物。


 1900年代、東京、新宿。その真ん中にあるのは黒い渦。そして生まれるは化け物。黒い翼が生え羊のような角が生えた生物。そして容赦なく惨殺される人々。まさに地獄絵図。その言葉が相応しかった。

 しかし、全員が殺されたわけではなかった。ある少年は化け物の手が腹に刺さると青白い光を出し何かを吸い込んでいった。

『魔力』

 この世界には稀に魔力を吸い込む人間が存在している。


ーこれはそんな世界のお話ー


 時は2000年代、新宿に謎の渦が出現し、現世の人間が魔力を手にした「魔力新宿出現事件」から数年後。日本の首都、東京とそう遠くない場所。とあるのどかな町。そこに1人少年が立っていた。彼は荒川界羅。太陽に照らされるその顔にはいくつもの傷があった。

「もう68年経ったんだね、父さん、母さん…」

 そんな呟きをかき消すように大きな声が聞こえる。

「界羅〜!久しぶり〜!」

 そして

「ズブッ!」

「大丈夫か…どうせ死んでないから心配する必要はないな。」

 界羅の前で盛大に転んだのは鶴慶。緑髪の界羅とは対照的な金髪。しっかり整えられた髪。そして

「魔力でさっきのどうにかできなかったのかよ」

『魔力』

 そう、魔力新宿出現事件の後、様々な市区町村で同じような事件が何百件も起こった。そして同じように魔力を手にした物たちがいた。その物たちはやがて結婚し、子を産む。そして生まれた子は不思議なことに魔力を持っていた。

 「一応扱いは上手い方だけど予想外のことには対応できないんだよね〜」

「なんだ、魔法使いなのに大したことないじゃん。」

そう笑う彼は魔力がなかった。正確に言うと魔力があるかわからなかった。父は魔力を持っていないが母は魔力を持っている。その為今後、魔力を使えるようになるかもしれないし使えないままかもしれない。

 「久々に故郷に戻ってきたが前よりちょっと活気が溢れてるな」

その視線の先には川があった。

 しかし様子がおかしい。水が渦を巻き真ん中に立つ男性にまとわりつくようになっているのだ。彼は水中に浮くようにして立っていた。

 「それで、今回はあの子の暴走を止めると…奴らも厄介なことを頼んできやがって…」

2人は川に向かった。

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