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元奴隷の少女と怪物男の血にまみれた日々  作者: 桐城シロウ
第一章 それは歪んだ執着から始まって
12/44

登場人物紹介とちょっとしたエピソード付き

 





 ソフィー(十七歳)



 茶髪と緑の目を持った、小柄な少女。ふてぶてしく、生意気さが滲み出た顔をしているが照れると普通に可愛い。はんと鼻を鳴らして、人を見下すような顔が得意。人の嘘や性格が分かるため、妙に冷めたところ&大人びたところがある。本人は無自覚だが、淋しがり屋で甘えん坊。



 ・最近太ってきた(とは言えども、まだまだ細くて痩せている)

 ・出会ってすぐにエリオットを信用。寝落ちして起きたあと、ソファーで寝転がりつつばりばりとポテトチップスを貪り食い始めたので、エリオットはそれを見て(食ってる……!!)と呆然として突っ立っていた。




 エリオット・ホープ(二十四歳)



 短い黒髪に赤い瞳を持った、筋肉質で背が高い男。二の腕から頬にかけてドラゴンのタトゥーがある。常に無表情で、整った顔立ちをしている。ただ笑えば年相応のあどけなさが出る。繊細で落ち込みやすいところもあるが、嘘が得意でさらりと嘘を吐く。ただし誤魔化すのはド下手くそ。



 ・最近ピアスを買った。ばちばちと穴を開けていると、ソフィーがドアの隙間からそっと覗いてくるので面白い。その怖々とした様子を見るためだけに、結局追加で四個ほど穴を開けた。

 ・ソフィーがあまりにも信じてくるので、最初は挙動不審だった。やがてソフィーの特殊能力? を信じるようになり、便利だなーと思っている。(つもりは特に何も考えていない)





<また出てきそうなモブ一覧>



 ジャスパー


 奴隷商人のクズ。黒髪黒目を持った、容姿端麗な男。金にしか興味が無く、エリオットが太っ腹なので一応これでも丁重に扱っている。最初はソフィーのことを舐め切っていたが、ずたぼろに攻撃されてから苦手に。エリオットが来るまで、ソフィーにしつこく嫌がらせをしていた。



 ・ソフィーがかなり嫌でストレスが溜まっていたため、知り合いという知り合いに死ぬほど愚痴っている。それを聞いた全員、「あのジャスパーが……」とおののいて酒を奢った。

 ・エリオットが来る度に「返品か? 返品か?」と怯えているが大抵は惚気話。エリオットが真顔で額を押さえ、「可愛くて……どうしよう」と呟くのでストレスが溜まってゆく。(ジャスパーの店と住んでいるアパートが近いため、しょっちゅうやって来る)




 ザイール


 茶房の店主。情報屋のようなこともしている。妹は雑貨屋を営んでいる(一階がバーのような薄暗い茶房で、二階が雑貨屋)。黒髪に毛先が銀色、青いような翡翠色のような瞳を持っていて印象があやふや。しかし穏やかな美貌を持っている。鮮やかな色の布を重ねた民族衣装を着て、客を迎えるのが常。



 ・娘を亡くしているが、妻は生きている。仲良し。妹とは別に一緒に住んでいない。女が死ぬほど寄ってくるが、妹に押し付けて逃げている。浮気をしない真面目男。

 ・最近はソフィーのことが心配で仕方ない。が、エリオットが「ソフィーが惚れたらどうしよう……」と警戒しているため連れてこない。ソフィーの父親に会ったら、ソフィーのことを教えてやろうと密かに決意して探している。




 ハロルド



 一応医者。(ただし、当然のように免許は持っていない) 終わった世界を支配している四人のマフィアの内の一人に重宝されているため、誰も手を出さない。そのため診療所も綺麗、物資も運ばれてくる。そして、マフィアの女に手を出すような馬鹿じゃない。が、小心者の女好きでもある。



 ・去り際、エリオットにぶん殴られて歯が折れそうになった。ソフィーをちらっと見てみたが、どうでも良さそうな顔で無視されて終わる。頬を冷やしつつ、(あれ……? 本当に利用されただけなんじゃ? 俺、あの二人の当て馬??)と今更なことを悟って落ち込んだ。

 ・アロマオイル、石鹸、ハーブティー、タオル、歯磨き粉、歯ブラシなどを趣味で売っている。実はエリオットとソフィーが使っているのも、この男が作って売っているもの。ちまちまと手を動かすのが好き。





<4.正気と狂気の狭間で> ちゃんと復讐しておいた



「っと、まぁ……肋骨を数本折ってやりたいところだが。我慢するか……」

「いてててて……今、本気で星が飛んだんですけど?」

「お前がソフィーに悪質な嫌がらせをするからだろうが、ジャスパー。もう少し利口な男だと思っていた……今まではそんなことしなかっただろ?」

「あの女がもう、本当に嫌で嫌で……どっちかと言えば俺が嫌がらせをされていましたよ、エリオット様」

「そうか……」(よく分かっていない)




「今ならあの言葉が理解出来るんだ、俺……」

「いきなり何? エリオットさん? このままキスしてもいいの?」

「いいから退いてくれ……頼むから、寝起きに襲ってこないで……」

「朝に弱いエリオットさん、可愛い~。襲っちゃう~」

「呑気だな、お前はいつもいつも……」






<8.好きの定義と花の香りがするお茶>  その帰り道で




「なぁ。ザイールのこと、一体どう思った……?」

「やたらとお菓子をくれるおじさん。親切」

「おじさん……」

「だって絶対四十は過ぎてるでしょ、あの人。綺麗で皺一つ見当たらないけど。だからおじさん」

「そうか。ならいいんだが……」

「ん、美味しい。お土産も沢山くれた」

「俺にも一つくれ。うまそうだ」



<10.乙女の必殺技と診察室での秘めごと> その日の朝



「なぁ、ソフィー。お揃いにしてみないか?」

「おそろい、に……?」

「ああ。マントの方が乾きも良くていいんだが……コートをお揃いにしてみないか?」

「ああ、まぁ、じゃあ別にいいんだけど……」

(真顔で読めない……照れとか一切無いんだな、この人)


 そんな訳で同じ灰色のショートコートを着ていた。





<好きだけど、えぐくて容赦が無くてデリカシーが無くて繊細さがちっとも無い女の子>




「そう言えばその、ソフィー……? お前、相手の何もかもが見ただけで分かるって言ってたけど」

「ああ、見ないようにしているの。エリオットさんのはね。ジャスパーの過去はいじくり出して攻撃したけど」

「えっ、俺のは見ないようにしている……?」

「何で引くのよ、そこで。プライバシーの侵害に当たるでしょ?」

「まさか、そんな気遣いがお前に出来たとはな……」

「私のことを一体何だと思っているのよ!?」




<一応、エリオットの方が先に起きる時もある>



(寝顔が可愛い……いつもこうだといいのにな。起こすのが勿体無いな……)


 すうすうと寝息を立てて眠っている。十七歳の少女らしいあどけなさが覗く寝顔を見つめ、思わず笑ってしまった。本当に、いつもこうだったらいいのにな……。そのさらりとした茶髪を梳かすと、「うーん……」と低く唸る。南国の海のような、宝石のようなエメラルドグリーンの瞳が開いてこちらを見上げた。



「おはよう、ソフィー。どうする? もう一度眠るか?」

「えっ、いや、今起きたばっかりなんだけど……?」

「もう少しだけ寝ていても良かったんだぞ……?」

「いい。お腹空いたから起きる……」

「そうか……寝ていたら可愛いのにな」

「聞き捨てならないんだけど!? それっ!」



 言葉が足りなくて怒られた。








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