スキルと勇者
僕はアリ・グラス、小さい集落に一人で住んでいる。僕は魔物を狩って素材を売り、生計を立ていた。
なんてことない日常だが、あの日を境に激変する…
「いってきまーす♪」
今日もいい天気だといいなと思いながら家を飛び出す。
「今日も魔物を倒してお金を稼がなきゃ。」
いつも狩りに出でいた森はたくさん狩って魔物がいなくなったので森の奥にある草原まで走った。途中でお金にならない魔物は無視し、お金になる魔物はどんどん狩っていった。
1時間くらいで草原に着いた。
ガキン!
金属が折れる音。
誰かが草原で戦っている?こっそりと魔物などに気づかれない程度に近づいた。
…シラリアがオーガと戦っていた。見た感じ負けそうである。少しでもほっといたら死んでしまうだろう。
「よし、助けるか」ボソッっと呟く。
僕が前に出た瞬間、その女性が僕を止めようとしたが気にしない。
僕は魔物の前に立った。
魔物の首目掛けて左手をかざす。そして手を勢いよく左に振る。
その瞬間魔物の首が飛び、血が自分にかかった。
女性の方を見る。怯えていない。結構強そうな見た目である。女性が立ち、話しかけてきた。
「君…名前は?私はシラリア」
僕は素直に名前を教えるか迷った。
「お前に教えるようなものじゃない」
「なっ!…ならば君に付き纏いなんとしてでも名前を知ってやる!」
これがこれからの長い旅の始まりだ