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使い古したメモ帳②


(貴方は埃塗れの本棚から、とある古びたメモ帳②を発見した。どうやら幾つかの文字が、黒く塗りつぶされているようだ。)




『――――


【極秘書物・ミルナキケン】


 タイトル・「魔法の勉強」 


 この世界には2種類の人間がいると聞いた。無魔ノイマの人間と式魔シグマを持つ人間だ。僕は生まれてからずっとダンジョンで暮らしてきたが、どうやらそこは魔法が使えない特殊領域だったらしい。そのせいか僕は魔法が使えない身体になった。所謂無魔って奴だ。但し、その反対の人間を式魔と言う訳ではない。式魔は体内の魔素を外界に出し活用したもので、生き物が繰り出す魔法全般のことを指す。ここは、僕もややこしいと感じるが、つまり無魔とは、式魔を使えない、または使わないものを指す言葉であり、魔法が使えない者を指す言葉ではないということだ。例えば先天的に式魔を使えない異世界からの転移者や、呪われた冒険家でも、強制的に魔素を外に出し"式魔に似たことを行う技"も存在する。つまり理屈的にはこの世界に住んでいれば、誰であろうと魔法が使えるようになるのだ。この世界の空気を吸い、この世界の食べ物を食べ、この世界の水を飲めば、嫌でも血中には魔素が混じっていく。だから例え僕でも、魔法の勉強をし、魔素についての理解を深めることは今後の冒険に役立つことになるはずだ。この一冊では、これから聞いたり、見たりして学んだ魔法の知識についてをメモしておこうと思う。



{式魔・シグマあるいはシキマ。}

 

 地方によって発音が異なる。「イェル」とか「ジェル」とか「エデル」とかと同じだ。式魔を使うには多くの努力が必要だが、ダンジョンに挑む者や騎士を目指す人間は、無魔であるとイジメに合うらしい。式魔の性格は様々だが、聞いた話によれば普通は6つに区分された基礎系統のどれかに該当する。


1原始...一般的な魔法系統。白魔法。黒魔法。汎用性に優れ実用的で魅力的。

2契約...召喚士が該当するらしい。

3身体...体内の魔素を肉体の強化という形で外界に反映させたもの。無魔との識別が難しい。

4自然...一般的かつ戦闘向きにもなる。

5物体...ものづくりがしやすい?って聞いた。(雑な説明だ。)

6感知...占い師も、元を辿ればここから派生するみたい。


(番号は適当に振った。)


そして、

7特殊魔法...基礎系統の性質が複合されているもの。


 特殊魔法については分からないことが多いらしいが、例えば炎の剣を作る魔導士がいれば、4と5の性質を持った7ということになる。

 かの有名な最強のずんぐりむっくりチビ、{サテラ・カミサキ}の扱う扉魔法ゲートは5と6を合わせたものだ。一説によれば親和性がうんたらかんたら……で、基礎魔法で出来た六芒星の頂点に特殊魔法が来ることから「六芒星魔法」とも呼ばれている。で、その六芒星は生き物によって系統の場所が様々。白魔法と黒魔法は原始系で、光魔法と闇魔法は自然系だが、黒魔法と闇魔法の複合性質は通常の人間では不可能なので、得意とするような奴は六芒星の振分けが似ているモンスターの血を継いでいるので殺すべきという意見もある。過激だ。

(考え方は色々あるらしい。僕が覚えるなら、今のところは1が良い。)


「基本五魔法」

 炎

 水

 風

 雷

 岩

 →自然系に属する魔法で、これらは覚えやすいらしい。上級の冒険家には自然系魔法を満遍なく憶える者もいる。炎魔法は暖を取るために、水魔法は喉を潤すために。





{魔法の難易度}


 いろいろな国や、神技会を筆頭としたさまざまな評議会によって、様々な基準がある。ナナシに代表例を書いてもらう。以下に記す。

       

魔法学会アカデミア  魔法研究ギルド  神技会しんぎかい 他...

↓     ↓        ↓

       

     SSS級    カタストロフィ級  (ヤバい)

      SS級              (ここは、内緒)   

特級     S級              (極雷の槍ケラノウス)   

1級     A級              (特雷の槍ケルノス

2級     B級              (大雷おおいかづち

3級     C級              (雷の槍ケラン)            

4級     D級              (ビリビリするやつ。)

5級     E級              (ピリリッとするだけ。)

0級     X級              (規格外や珍しいもの。)


 魔法の致死性に基準を置いていたり、発動の難易度に基準を置いていたりするので結構バラバラ。例えば、操血魔法(血を武器にするもので、血操魔術とは別物。)とかは頑張れば高い殺傷能力を有するけど、習得難易度で言えばナイフで手を切れば、案外誰にでも出来るので、アカデミアでは5級、連合ギルドではX級に該当。地方によっては禁術扱いだった。神技会スケールは憶えるに値しないと思うけど、カタストロフィ級という基準値を設定したことが功績としてある。連合ギルドのSSS級は、それに合わせて作られた。

 その発端となった魔法は、平和都市アイギスと関連深いフェノンズの旅団が放ったもので、一国を勦滅?させた程だと言われている。詳しい話はサテラが知っているそうだから、次に会ったら聞こうと思う。




{■■■と魔法}


 『"■■■■にとって魔法が必要かどうか"が長年議論になっている。これは式魔の持つ後天的な不可逆性に起因する命題だ。すなわち、シーラと言う巨大な未知に対して、か弱き我々人類が獲るべきスタンスは、唯一生まれたままの純粋な無魔で無ければならないという考えだ。』―(■■■■の心得より引用)


 とあるが、つまり何かの魔法を極めた人は、その人がどれだけ優秀であっても、他の魔法が扱いずらくなってしまう身体に変わってしまうということらしい。例えば王国に使える騎士でとりわけ名前を挙げているような人たちは、強力な炎魔法を扱えるが、私生活では白魔法で物を浮かせることすら出来ないとか。これは考え物だ。式魔の習得には長い年月が掛かるが、■■■■にとっては悪い方向に作用してしまうかもしれない。冒険者としても、実用的な魔法を扱えたからこそ、楽な旅が出来たということも多い。めっちゃ、悩む。





・・・・・・・・・・・――――――――』










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