祖母の希望1
おばあさんから連絡があった。会いたいと言われても、困るために断ったら、
「この間のところで待っているから」と言われて驚いた。
「え、でも」
「この間、会えてうれしかったから。また、お話したいわ」と嬉しそうだった。とても、嫌とは言える雰囲気ではなかった。
祖母としばらく話をしていた。祖母は楽しそうにしていて、それを見ながら話をしていた。祖母と言う存在の人はドラマの中だけのことだったために、なんだか不思議な感覚だった。
かなり経ってから、
「真珠ちゃん、家に遊びに来てほしいと思っているの」と言われてしまったけれど、断ったら、
「どうして?」と聞かれた。表情がさみしそうで、かなり困ったけれど、
「すみません」と頭を下げた。
「お姉さんの方は遊びに来てくれたけれど」と言われて驚いた。祖母はかなり戸惑った表情だったので、
「姉がなにか?」と聞いた。
「え、ああ」と言葉を濁していた。
「あの子は……さすがにね」さすがになんだろう?
「でも、真珠ちゃんなら大歓迎よ」
「はあ、でも」
「もしも嫌じゃなかったら、あなた、是非、遊びに来てね」
「はあ」としか言えなかったけれど、
「でも、行かないほうがいいと思います」さすがにそう言ったほうがいいだろうと思い、口に出してみた。
「あら、どうして?」
「だって、私の家族のことは、そちらの家では……」祖母が困った顔をした後、
「あなたなら、大丈夫よ。あの子の子供ですもの」
「はあ」と言ってから、あれ、でも、さっき、姉の時は……、
「とにかくね、一度、遊びに来てほしいの」
「困ります」
「どうして? できれば、あなたがうちの子になってくれたらうれしいのに」
「は?」言っている意味が分からなくて見てしまったら、
「あなたを引き取りたいって思っているのよ」と嬉しそうに言われてしまった。




