炎上タレント5
「疲れる人たちだったなあ」
「お前がいけないんだろうが」
「だって、インチキだとまで言われたんだよ。言いたくなるじゃない」
「ほっといても、あのタレントは、二度と這い上がれないよ」と冷たく言い放ったので、
「ほら見なさいよ。自分だって、分かってるじゃない。化粧品のCMって、無理だと思うよ」
「そう言っても、分からないよ。彼女たちは勘違いしているからね」
「勘違いって?」
「脚光を浴びたのなんて、かなり前だ。結婚して、夫と二人で共演したりして、稼いできたけれど、知名度なんて低いしね」
「夫って誰?」
「売れない俳優。有名時代劇に出たので、知名度は一応ある程度。ただし、人気はさほど出なかった。時代劇に出ていたから、年齢が上の人は一応知っているかもしれない。そのために、夫婦共演で色々な番組に出ることが出来た程度。夫婦ともに芸能人と言う組み合わせは結構あるから、それだけでは長くは続けられないから、焦りがあるんだよ。ただ、何かとお騒がせタレントとして、別の意味で脚光を浴びているから、注目度があると勘違いしているんだ」
「え、どういう意味?」
「ギショちゃん」といきなり言われて黙っていたら、
「その分だと知らないな」
「なにを?」
「彼女のあだ名」
「え、あだ名なの?」
「そう呼ばれているんだ。問題発言を繰り返し、取り繕う発言でごまかそうとして、それが全て嘘で塗り固められているために、さらに、事実が出てきたりする。あまりに嘘をつくから、ギショちゃん」
「変わった名前の付け方だね」
「本名から来ているんだよ」
「本名って、あ、そう言えば振り仮名がふってなかったから読めなかった。あの名前って、どう読むの?」
「ギショウチグミ」
「えー、何、その名前」
「そう言う反応をされるのが嫌だからこそ、非公表なんだろ」
「わたしの名前は馬鹿にしてたじゃない」
「だから、自分の名前を気にしているから、他の人の名前を馬鹿にするものなんだよ」
「意味わかんない行動だね」
「そういうものだ。自分が言われたくない部分ほど、人に言う。そう言うタイプだ。名前の件は、相当のコンプレックスがあるらしいぞ」
「なんで?」
「ギショウって名前。インターネットなどで、本名がばれてしまっている。ギショウと言う響きから、『偽証』、『偽の証』そんなあだ名さえつけられているために、スタッフから、そこには触れないように言われていたんだ。同時に彼女が何を言っても聞き流してくれって、ごきげんを損ねるとうるさいと評判の親子らしい」
「スタッフ、そんな態度には見えなかったよ」
「そんなもんだよ。スタッフが浮かれていただろう? 確実だって」
「あ、そう言えば、浮かれていたね。何が確実なの?」
「数字」
「数字って?」
「視聴率だよ」
「ああ」
「視聴率アップが確実になりそうだから、喜んでいた」
「ふーん、どうして?」
「話題の人物が出ているから」
「でも、彼女はトラブルメーカーなんでしょ?」
「だからだよ。トラブルメーカーが何を言うかは注目される」
「は?」
「そういうことだ」
「わからないなあ。トラブルメーカーの言うことって、なんで注目されるのよ」
「お前のクラスのトラブルメーカーはいないのか?」
「いるけど」
「そいつは問題を起こしまくっているだろう?」
「そうだね」
「それは話題になりやすくないか?」
「なりやすいね」
「そういうことだ」しばらく考えてしまった。




