21/68
プロキオンの経理担当4
東条さんが部屋に入ってきて、
「悪いな。俺のファンに捕まって」と言われても、ぼんやりしていたら、
「どうかしたのか?」と聞かれて、
「あ、いや」と迷ったけれど、正直に、携帯がかかってきて、それを持ってウロウロしていたら、絡まれたこと。それを心配して膳場さんが話しかけてくれて、その話の途中で圭吾さんがやってきて、喧嘩し始めたことを言ったら、
「またか」とどうでも良さそうだった。
「そんなにしてるの?」
「最近は、顔を合わせたら、そんな感じ」うーん。
「倦怠期なんだろ」そうだろうか?
「親父とは長いからな」
「そんなに長いの?」
「俺の母親と結婚していたときには、すでにそうだったんじゃないか」うーん。
「ま、俺の母親も、似たような状態だったから、どっちもどっちだったけど」と言われて唖然とした。
「荒んでない?」
「そうか?」と平然と言ってのけた。
「だって、両親だよ」
「両親だからって、仲がいいとは限らないだろう」
「え、そういうもの?」
「お前のところとは違うだけ」
「怜奈ちゃんのところも、神宮寺のところも、うちも、それなりに仲は良いと思うんだけれど」
「あいにく、うちは一般的ではないからね」
「はあ、えっと」
「そんなことはどうでもいいさ」
「辛くないの?」と聞いた。一瞬黙った後、
「慣れている」と言われてしまった。




