祖母2
母に説明をしてくれるように頼んだけれど、詳しくは教えてくれなかった。ただ、父の家族は私たちの家族とは付き合うことはないと思う。と言ったので、
「やだー、教えてよ。お父さんって、天涯孤独の人だって言ってたじゃない」と姉が聞きたそうで、私もそう教えられていたので、
「天涯孤独ではないわ。家族はいるわ。いたというべきね。勘当同然で追い出された形なのよ」
「勘当?」
「あそこの家は厳しい家なの。家柄がいいために」
「え、良い家柄なの?」姉の目が光っていた。
「そうね。かなり大きな家に住んでいるわ」
「やった」
「話を聞きなさい。さっきも言ったでしょ。勘当同然で追い出されているために、私たちは出入り禁止なの」
「え、なによ、それ。役に立たないじゃない、まあ、いいわ。今から取り入ればいいのよね」と姉が言ったので驚いた。
「取り入る?」
「当り前よ。いつまでもこんな家にいたって、しょうがないでしょ。お金持ちの家なら申し分はないわ。私が行って、娘になったら喜ぶでしょうね」うーん、さすがに姉の思考について行かなかった。
「甘いわね。父親のあの人でさえ、画家であることも、嫁の私も、こういう商売をすることも認めてないような価値観の家よ。そういう人にあなたが行って、認めてもらえるとは思えないけれど」母が呆れているのに、
「やった、これで、いい条件の縁談が」と姉は聞いてもおらず、
「やはり、医者か弁護士とか、あ、歯医者でもいいわね。まあ、一流企業に勤めているのなら譲ってもいいわ」と勝手に盛り上がっていて、
「あの」と母を見た。
「ほっときなさい。そのうちわかるわ。真珠は会ってはダメよ。たぶん、傷つくと思うからね」どういう意味だろうと思ったけれど、姉は盛り上がっていてうるさかったし、母が複雑そうな疲れた顔をしていたので、それ以上は聞くのをやめておいた。
校門を出ようとしていたら、
「月野さん、伝言」と言って紙を渡された。
「誰から?」と言いながら紙を見た。そうしたら、
「会いたいので、待っています。月野喜美佳」と書いてあった。うーん、あの人だろうなあ。場所も書いてあったので、仕方なく行くことにした。母に連絡を取ろうと電話を掛けたけれど、出てくれなかったので、そのまま行った。




