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9章 長い一日に終わりを告げる

あけましておめでとうございます。


更新遅くなってごめんなさい。


 ショウは、夕食前に、覚えたてのカタログで必要な物を購入する。

 

 

──────

 

 新生活セット

 

 異世界転生初心者さん向けのオススメセット。

 

 セット内容(状況によって内容の変更あり)

 

 壁掛け時計、布団、ダイニングテーブル、イス、衣服

 

 

 一,〇〇〇pt (初回に限り五〇〇pt)

 

 ・購入する   ・購入しない

 

──────

 

 日替わり夕食

 

 日替わりでメニューが変わる夕食。

 

 

 一〇〇pt

 

 ・購入する   ・購入しない

 

──────

 

 

 ショウは、取り敢えずこの二つを購入する。

 

 

 「よし、購入するっと」

 

 

──────

 

 新生活セット 一つ(五〇〇pt)

 

 日替わり夕食 二つ(二〇〇pt)

 

 

 合計 七〇〇pt

 

──────

 

 

 ショウが、商品を購入した次の瞬間、ショウの目の前に、購入した商品が現れる。

 

 

 「おぉ、購入した瞬間商品が届いた」

 

 

 ショウが商品の到着(?)に驚いていると、

 

  

 「ふむ、これは一体どのような方法で商品が届くのじゃろうなぁ」

 

 

 さっきまで、ショウの隣で静かにしていたペルセポネが口を開く。

 

 

 「神のお前でも、分からないのか」

 

 

 ショウの質問にペルセポネは、フッと鼻で笑う。

 

 

 「いや、まぁ、妾は全知全能の神ではないからのう、精神科医に、インフルエンザワクチンを打って下さいと言ってる様なものじゃ」

 

 

 「あ〜、なるほどなぁ、専門外って事か」

 

 

 「うむ、それよりも冷めない内に夕食にしようではないか」

 

 

 

 そう言うとペルセポネは料理をダイニングテーブルに置く。

 

 

 「模様替えは、夕食後でもいいじゃろう、取り敢えず今は夕食が先じゃ」

 

 

 ショウは、ペルセポネの意見に賛同しペルセポネの向かい側に座る。

 

 

 ちなみに、今日のメニューは、白米、サバの味噌煮、味噌汁、きんぴらごぼう。

 

 

 日本人でこの料理を食べた事が無い人は殆どいないであろうメジャーなメニューだった。

 

 

 

 「ふむ、妾的には、和食は朝食、夕食は洋食が一番いいのじゃがなぁ」

 

 

 そう言いながらペルセポネは、両手を合わせ、

 

 

 

 「いただくのじゃ」

 

 

 

 若干上から目線気味に食事前の挨拶をする。

 

 

 

 そして、器用に右手で箸を持ち、食事をはじめる。

 

 

 

 「……お前、和食食べ慣れてるなぁ」

 

 

 ショウの言葉にペルセポネは、

 

 

 

 「確かに妾はギリシャ出身じゃが、今や和食は地球人であれば殆どの人間が知っているじゃろ」

 

 

 

 「いや、お前神だろ」

 

 

 

 ショウがペルセポネに対して反射的にツッコミを入れるが、ペルセポネは、

 

 

 

 「取り敢えずそれは、捨てといて」

 

 

 

 ペルセポネは箸を置き、目の前にある箱を両手で持ち上げ、部屋の壁に向けて投げ捨てるジェスチャーを行う。

 

 

 

 「オイ、お前! そこは、置いといてだろ! コイツ神の尊厳捨てやがった!」

 

 

 

 ペルセポネの衝撃の発言にショウは、我を忘れてキレ気味にツッコミを入れる。

 

 

 

 「ふむ、確かに妾が神の地位を捨ててしまったら後世に残る悲劇になってしまうのう」

 

 

 

 「んな訳あるか! 後世に残る喜劇だよ!」

 

 

 その後、ショウとペルセポネは、雑談をしながら夕食を頬張っていた。

 

 

 

 

 

 「よし、では、この部屋の模様替えを始めるのじゃ」

 

 

 

 「まぁ、重いものはペルセポネに任せたぞ」

 

 

 

 「オイ、ショウよ、乙女に与える仕事では無いぞ、このような力仕事は、お主がやるべきではないからのう」

 

 

 と、傍から見たら十七歳の男子高校生が女子中学生に力仕事を任せると言う少々横暴な光景だが、

 

 

 

 「筋力のステータスが九千のお前には言われたくねぇよ」

 

 

 実際はペルセポネの方が、ショウよりも百八十倍の筋力を持っているのである。

 

 

 

 「やれやれ、全く頼りがいがないのう」

 

 

 「いや、神と人間比べんなよ」

 

 

 ショウの言うとおり、元々神と人間は、同じ土俵に立てるわけがない。

 

 

 「全く、妾の本来のステータスは、こんなものではないのだぞ」

 

 

 ペルセポネの発言にショウは、首を傾げる。

 

 

 「ん? それ、どう言う事だ」

 

 

 「そのままの意味じゃぞ、妾達神は、下界に降り立つ際に世界のパワーバランスを保つ為に、ステータスや権能(神や一部の悪魔などが持つ固有能力)に制限を掛けておるのじゃ」

 

 

 「世界のパワーバランスが崩れたらどうなるんだ」

 

 

 ショウの質問に対してペルセポネはあっけらかんと答える。

 

 

 「簡単じゃ、その世界が消滅するだけじゃ」

 

 

 「え゛え゛」

 

 

 

 ショウは、世界消滅と言う、実際にはあまり聞かない言葉と、『昨日の夕食肉じゃがだった』くらいのテンションで話すペルセポネの言葉に、ショウは三千年の封印から開放された、異形の怪物の様な声を出す。

 

 

 見かねたペルセポネは、ショウに

 

 

 「安心しろ、そうならないように妾は力を抑えておるのだから恐れなくても大丈夫じゃ」

 

 

 

 ショウは、ペルセポネの言葉で落ち着きを取り戻す。

 

 

 「はぁ、まぁ取り敢えず、さっさと模様替えするか」

 

 

 そう言うとショウは、届いた商品を一つずつ確認していく。

 

 

 

 「えーと、ダイニングテーブルが一つ、イスが二つ、時計が一つ、布団が二つ、男物の服が数着……ペルセポネの分の服が無いなぁ」

 

 

 

 ショウは、部屋の模様替えをする前に、ペルセポネの衣服をカタログで探す。

 

 すると、ペルセポネがショウを呼びかける。

 

 

 

 「ショウ、妾の分の服は必要無いぞ」

 

 

 「え? でも、服は、今着ているそれしかないだろ」

 

 

 「ああ、確かに妾の持っている服は、この一着しかないがこの服は、天界製汚れもしないし、破れたりもしない、常に新品同様じゃ」

 

 

 

 ペルセポネは、腰に手を当て満面のドヤ顔を披露する。

 

 

 

 「すっごい、ドヤ顔してるけど、お前が作ったんじゃ無いんだな……」

 

 

 

 「妾は、服の神ではないからのう」

 

 

 「福の神では無く、服の神って何だよ」

 

 

 「そんな事より、早く模様替え始めるのじゃ」

 

 

 「手のひら返しが超高速じゃねーか!」

 

 

 

 と、色々な事があったが、約十数分無事に模様替えが終了。

 

 

 壁掛け時計は、玉座後ろの壁に吊るす。

 

 部屋の中央にダイニングテーブルとイスを設置。

 

 布団は、部屋の隅に折りたたんでおいておく。

 

 

 「よし、こんなもんか」

 

 

 「布団は使うときだけその都度敷くのか?」

 

 

 「ああ、取り敢えず今はそのスタイルで」

 

 

 「…………」

 

 

 「どうした? ペルセポネ?」

 

 

 「もうこの部屋、玉座の間では無く、リビングではないかのう」

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