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4章 探検隊(ボッチ)


 「そうだ、ペルセポネお前、読書って好きか?」

 

 

 ショウとペルセポネが相棒になってから約三十分、二人は親睦を深めるために他愛のない話してをいた。

 

 

 「む? どうしたのじゃ?」

 

 

 「実は、カクカクシカジカ」

 

 

 ショウは、読書が出来ない事、この世界の知識がゼロな事をペルセポネに話す。

 

 

 「な、なるほど、それは大変じゃのう……」

 

 

 ペルセポネは少し呆れた様子で言葉を発する。

 

 

 「つまり、妾にマニュアルを読ませて間接的にこの世界の知識を手に入れると言うことじゃな」

 

 

 「なんか、俺がペルセポネに強制的にマニュアルを読ませようとしているみたいな感じになってるけど、まぁ……そう言う事だ」

 

 

 ショウはペルセポネの発言のニュアンスを正しながらも肯定する。

 

 

 「フッフッフッ、安心するが良い、妾は数百年程前、あまりに退屈過ぎて下界の書物を読みふけっていた事があるのじゃ」

 

 

 「と、言う事は……」

 

 

 ショウは、『よし! これでマニュアルが読めない問題も解決だ!』と、希望に満ち溢れていた。

 

 

 

 「うむ、妾は神並みに読書は好きじゃぞ」

 

 

 「お、おう……それはとても心強いな!」

 

 

 ショウは一瞬『”神並みに”っていわゆる”人並みに”って意味の神バージョンなのか?』と、思考を巡らせるが、取り敢えず褒める事にした。

 

 

 「そりゃあそうじゃ、なにせ妾が味方なのじゃから、心強く無い訳ないじゃろう」

 

 

 ペルセポネは胸を張る。

 

 

 「その肝心のマニュアルはどこにあるのじゃ?」

 

 

 「ああ、それならあの玉座の横のガラガラが置いてある台に置いてあるぞ」

 

 

 ──と、ショウは無造作に置いているマニュアルを指差す。

 

 

 「ふむ、これじゃな」

 

 

 ペルセポネはマニュアルを持ち上げパラパラとページを捲る。

 

 

 「うむ、問題無いマニュアルを読み終わるまで少し待つのじゃ」

 

 

 そう言うとペルセポネは、玉座に座りマニュアルを読み出した。

 

 ちなみに、ショウ達のいる玉座の間には、玉座、ガラガラ(ガラガラが置いてある台)しかない為、ショウとペルセポネは床に座りながら喋っていた。

 

 ペルセポネがマニュアルを読んでいる間ショウは暇なので、玉座の間の探索を始めた。

 

 探索開始から約三分。

 

 

 「よし! 探索終了」

 

 

 玉座の間探索、完全完了。

 

 

 「なんにも無いなあ」

 

 

 ちなみにショウが玉座の間を探索した時のメモ。

  ─────────────────────────

 

 ①縦長(結構広い)

 ②玉座は一段高い所に置いてある

 ③中央には、赤いカーペットが敷かれている

 ➃玉座に座った時、玉座の間の出入り口が見える

 ⑤玉座の横には、ガラガラがある(ガラガラは台にくっついている為、持ち運び不可)

 ➅天井が高い

 ➆トイレとバスルームはある

 ➇もう書くこと無い……(最低十個は書きたかった)

 ➈ペルセポネすごい勢いでマニュアル読んでるな

 ➉以上(よし! 十個書いた!)

 ─────────────────────────

 

 

 「なんだ……このメモ、八、九、十、は全然関係無いだろ」

 

 

 ショウは自分で書いたメモに自分でツッコミをする。

 

 

 「さて、もうやることが無いなあ」

 

 

 ショウは次は何をしようかなと考え、名案を思いついた。

 

 

 「そうだ、玉座の間の外がどうなっているのかを探索してみよう」

 

 

 ショウはペルセポネに『外の様子を見てくる』と、言って玉座の間の出入り口である扉の向こう側へと歩いていく。

 

 

 「へー、玉座の間の扉の向こう側は、洞窟になってるのか」

 

 

 ショウが言ったとおり扉の向こう側は洞窟になっていた。

 

 洞窟には、光輝く薄紫色の鉱石が輝いており真っ暗で何も見えないと言うわけではなかった。

 

 

 「よし! このまま洞窟を探検しよう」

 

 

 ショウは洞窟内部を調べるため歩き始めた。

 

 しかし、ショウが歩き初めて約二分で洞窟探検は、終了した。

 

 

 「あれ? もう洞窟は終わりか?」

 

 

 ショウは洞窟の入り口にたどり着いた。

 

 

 「ここは……森か?」

 

 

 ショウの言うとおり洞窟は深い森の中に存在していた。

 

 

 「よし! じゃあ、この森も探索するか」

 

 

 と、ショウ探検家(笑)は、深い森の冒険をはじめる。

 

 

 〔二十分後〕

 

 

 「二十分前の俺のバカヤロー何が”よし! じゃあ、この森も探索するか”だよ! あそこでとっとと引き返しやがれ!」 (ここまで一息)

 

 

 ショウはイノシシの様な生物に追いかけられながら二十分前の自分に悪態を吐く。

 

 

 事の発端は今から約十分前。

 

 

 

 

 「この森、結構な種類の植物が生えているな」

 

 

 ショウの言うように洞窟から出て十分程で、白樺、紅葉、イチョウ、樫の木、などに似て非なる木や、様々なシダ植物、苔、草花が生き生きと生い茂っていた。

 

 

 「……なんか色んな季節の植物が生えてるけど、これがこの世界だと普通なのか?」

 

 

 ちなみにショウがこの森で見た季節の草花は、

 

 春 たんぽぽ 桜 など

 

 夏 ひまわり アサガオ など

 

 秋 コスモス キク など

 

 冬 パンジー ウメ など

 

 

 ──のようなもの。

 

 

 「でもまぁ、俺が地球で見たものとは少し見た目が違うから別の花なんだろうな」

 

 

 ショウがそんなことを考えていると、

 

 

 

 ──ガサガサッガサガサッ

 

 

 ショウから見て左前方の草薮が音を立てて揺れた。

 

 

 「え……? な、なんだ……?」

 

 

 ショウはいつ何が襲って来てもいいように回れ右をして逃げの体制をとる。

 

 

 「ブモオォォォウゥゥゥ!!」

 

 

 ショウに向かってイノシシの様な生物が全速力で突進をしてくる。

 

 

 「うわぁあ、に、逃げろおぉ!!」

 

 

 

 ──そして現在に至る。

 

                             

 現在ショウは、隠れる→見つかる→逃げる→隠れる→見つかる→逃げるをひたすら繰り返している。

                             

                          

 そして、ショウとイノシシもどきの鬼ごっこは、開始から約一時間後ショウが玉座の間に無事(?)生還したことで幕をおろした。

 

 

イノシシは、鯨偶蹄類イノシシ科の一種。

突進力が強い反面神経質な動物、嗅覚が鋭敏で知能も高い

稀に二足歩行をする個体もいる。

特技はFPSゲーム。

主食は空飛ぶ海鮮丼。


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