18章 十連福引
「では。二週間の成果を見せてもらおうか」
ペルセポネが玉座に座り、ふんぞり返りながらショウに尋ねる。
「ああ、上等だ! ギャフンと言わせてやる!」
そう言うとショウは、ステータス画面をペルセポネに見せる。
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名前 ユキムラショウ 種族 異界人
性別 男 年齢 十七 レベル 五三
【種族進化可能】
ステータス
体力 三六八
魔力 四,六二七
筋力 三五二
防御 三一四
魔法力 一,七二九
俊敏 一八二
・パッシブスキル
言語翻訳 Lv六 魔力成長 Lv七
魔力適性 Lv八 万能戦術 Lv七
魔力操作 Lv六 採掘技能 Lv五
・アクティブスキル
火属性魔法 Lv五 水属性魔法 Lv四
風属性魔法 Lv四 地属性魔法 Lv四
闇属性魔法 Lv五 光属性魔法 Lv四
鑑定眼 Lv三 魔力感知 Lv三
収納箱 Lv七
・特殊スキル
幸運 採掘名人
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「お主……この二週間一体何をしていたのじゃ……?」
ペルセポネはショウに問いかける。その声には感情がほとんど篭っておらずショウは何か過ちを犯してしまったのかとヒヤヒヤする。
「えっと……。森の中にいる魔物(主にイノシシモドキ)を狩ってました。あとこの辺には魔鉱石が沢山あるからそれを採掘したりもしてました……」
それを聞いたペルセポネが憤慨──では無く。呆れ混じりの称賛(?)の様なもをショウに向ける。
「普通、二週間でレベルを五十二も上げて、種族進化が出来る様にならないがのう……。その上中級魔法が使える様になるとは……」
ペルセポネはショウの異常な成長速度に頭を抱える。
しかし、ショウはそんな事は露知らず会話の方向性を百八十度変える。
「話変わるんだけどさぁ」
「え? ああ。うん。なんじゃ?」
「俺、ステータスとか今はどうでも良いんだよね。これ、これが気になるんだよ」
そう言うとショウは、ペルセポネに向けて手を突き出す。
その手には、十枚の紙の束が握られていた。
「ん? なんじゃ。それは?」
「これは、福引券だ! 勿論ただの福引券じゃない。福引券・金剛石! 最も価値のある福引券だ! その為購入に必要なptが多い」
「一枚いくらなんじゃ?」
「一枚一〇,〇〇〇pt!」
ショウがサムズアップ&ドヤ顔をしながら言う。
因みに、福引券・金剛石を十枚購入した場合一〇〇,〇〇〇ptも必要である。
「…………お主、今ptいくつくらいあるんじゃ?」
「約四十六万」
「…………妾も福引気になるから早く回すぞ」
そう言うとペルセポネはショウの手を強引に引き、足早にガラガラへ向かう。
「ほれ、早く回すのじゃ」
ショウはペルセポネに急かされながら福引券・金剛石をガラガラにかざし、一回目を回す。
ガラガラガラ
コロン
赤い玉が出てくる。
出てきた赤い玉が小さな光の塵となり、空中を数秒漂ったあと、一つの場所に集まり景品の形を成す。
「「卵……?」」
二人は意外な景品に同じタイミングで小首を傾げる。
「……取り敢えず鑑定してみるか」
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謎の卵
長い時間をかけて孵化する卵。
何が生まれるかはわからない。
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「ショウよ。カタログでブランケットでも買って包んでテーブルの真ん中にでも置いておけ」
「ああ。ちょっと待っててくれ」
そう言うとショウはカタログでブランケットを購入して、謎の卵を包み置いておく。
「よし! 二回目」
ガラガラガラ
コロン
黒い玉が出てくる。
出てきた黒い玉が(以下略)
黒い玉だった光の塵が集まりとても禍々しいオーラを放つ五つの黒い球体に成る。
これも先程と同様に鑑定を行う。
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呪怨の宝珠
とても強い呪いが篭められた宝玉。
大規模な魔法や呪いの武具の作成に用いられる。
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「何か……やべー物を引いちまったな」
「しかも五つも……」
「…………よし! 次だ次!」
この先、似たようなやり取りが続く為、結果のみお届け致します。
・三回目
迷宮拡張チケット
その名の通り、迷宮を一回分拡張する。
使用すると無くなる。
・四回目
迷宮キッチンチケット(MAX)
迷宮にキッチンを作る。
このチケットを使って作られたキッチンは一流料理店のキッチンと同等の設備を持つ。
・五回目
深淵を覗く深紅の短杖
深紅色のクリスタルが施された短杖。
漆黒の頭蓋骨の装飾品が不気味。
・六回目
疾駆の魔導靴
この靴を装備すると、拘束(身動きを取れなくなる又は身動きが妨害される)状態になら無い。
・七回目
マナリング
青い宝石の付いたシンプルな指輪。
この指輪を装備すると一秒間に五、魔力を回復する。
・八回目
ライフリング
赤い宝石の付いたシンプルな指輪。
この指輪を装備すると一秒間に五、体力を回復する。
・九回目
無銘の刀
漆黒の刀身を持つ名も無き刀。
数多の糧を喰らうと刀が強化され、成長する。
「え? 何だこれ! この無銘の刀ってやつメッチャカッコイイ!」
「なんじゃ。お主、俗に言う厨ニ病と言うやつなのか?」
ペルセポネが無銘の刀に夢中のショウに茶化しながら尋ねる。
「いやいや。これに惹かれない男はそんなにいないぞ。こんなの厨ニ病じゃ無くても憧れるだろ」
「これに惹かれない男だっているじゃろ……」
ペルセポネがショウの発言を一部否定するがショウは無銘の刀に夢中でペルセポネの声が耳に届かない。
「俺、【万能戦術】持ってるし練習すれば刀使いになれるのでは無いだろうか! どう思う? ペルセポネ」
「ああ、うん。頑張るのじゃぞ。と言うか早く最後の一枚を使うのじゃ」
「え? あ、そう言えばそうだった。最後は何が出るかな!」
そう言いながらショウは最後の福引券をガラガラにかざす。
ガラガラガラ
コロン
(ん? 何だこれ? 何か既視感が……)
ガラガラから出てきたのは、金色の玉だった。
次の瞬間、金色の玉が光の塵になり空中で集まり、光り輝く。
そして光の中から、一人の女の子が現れる。
スキル説明
・採掘技能 スキルレベル最大一〇
採掘した時に入手出来る鉱石などの個数、品質が上昇する。
・採掘名人
採掘した時に経験値を入手する。
因みにショウは、この二つのスキルを使ってレベルアップとpt稼ぎをしていました。
pt稼ぎの方法は採掘技能で採掘した魔鉱石をptに変換するだけです。