17章 魔法使いショウ
「んーー。取り敢えず今使える魔法を確認するか」
ショウは、使用可能の魔法を確認する為にステータス画面を開き。使用可能魔法をリストアップする。
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使用可能魔法
・火属性
◦ファイア
小さな火球を作る。攻撃には向かない。
◦ファイアアロー
炎で作られた魔法の矢を放つ。
・水属性
◦クリエイション・ウォーター
とても綺麗な水を作り出す。
飲料水として使われる。
◦ウォーターアロー
水で作られた魔法の矢を放つ。
・風属性
◦エアーショット
小さな風の塊を打ち出す。
◦ウィンドアロー
風で作られた魔法の矢を放つ。
・地属性
◦クリエイション・アース
土、岩、砂を作り出す。
◦アースショット
簡単な地属性の魔法。
土の塊を打ち出す。
・光属性
◦フラッシュ
小さな光を生み出す。
懐中電灯のような使い方をする。
◦ライトアロー
光で作られた魔法の矢を放つ。
・闇属性
◦ブラックアウト
相手の視界を暗転させる。
妨害などに使われる。
◦ダークアロー
闇で作られた魔法の矢を放つ。
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「うーーん。実用的な魔法が少ないなぁ。【クリエイション・アース】に関してはいつ使うんだ?」
ショウは手を顎にあて、唸りなながら使用可能魔法のリストとにらめっこ状態。
確かにショウの言う通りスキルLv一の魔法は実用的なものが少ない。その為、魔法以外の攻撃手段を持たないショウには死活問題である。
しかし、その前にショウにはより大きな問題があるのである。
その大きな問題とは──
「魔法。具体的にはどうやってつかうんだ?」
魔法の使い方がわからないのである。
魔法以外の攻撃手段を持たないどころでは無く、魔法も使えないのだ。
「まぁ、今悩んでいてもあんまり意味無いからな。取り敢えず魔法を使える様になるまで練習だな」
ショウは思い立ったらすぐに移る。取り敢えず近くにあった岩を魔法の練習台にする。
「よし! 取り敢えず【ファイアアロー】であの岩を攻撃出来る様になるぞ!」
そう言うとショウは先程と同じ様に右手に魔力を集める。
勿論これは難なく成功。しかし、問題はこのあとである。
「この後は……。どうするんだ? 確か、ペルセポネは魔法の名前を唱えてたよな」
「【ファイアアロー】」
ショウが魔法の名前を唱えると右手辺りに赤い魔法陣が現れる。
しかし、何も起きない。ショウがいつ魔法が出るのか魔法陣を観察していると──
「あ! 魔法陣消えた!」
魔法陣がガラスの様に砕け、消えてゆく。
「これは……失敗なのか?」
勿論失敗である。この魔法を見れば十人中十人が失敗だと言うだろう。
「うーん、魔法の発動には、適性と魔力以外にも何か必要なものがあるのか? それとも沢山練習すれば良いのか?」
ショウは自分の魔法に何が足りないのか考える。
「何故だ。一体何が足りないんだ……。技量? 魔力? それとも全く別の何かなのか?」
そしてショウは一時間程考え抜いた末、自分の魔法に何が足りなかったのか気づく。
ショウの魔法に何が足りないのかと言うと──
「そうだ。俺は何も考えて無かったんだ」
その理由は今にしてみれば単純明快とても簡単なものだった。
ショウはどんな魔法を使いたいのか、そしてその魔法を使って何がしたいのか。要するにショウは、魔法を使う際に必要なもの、”想像”が足りなかったこれがショウが魔法を使えなかった理由だ。
「じゃあ、それを踏まえて【ファイアアロー】!」
ショウは、右手に集めた魔力を赤い魔法陣に注ぐ。勿論魔法発動に必要な”想像”も忘れすれずに。
(まずは炎で矢を作る。そしてその炎の矢で岩を攻撃!)
次の瞬間、赤い魔法陣が一瞬輝くと炎の矢が作られ、岩に向かって飛んでいく。
「よっしゃあ! 成功だぁぁああ!!」
ショウは魔法が成功した事がとても嬉しかったのか、雄叫びを上げる。
【ファイアアロー】を受けた岩は一部が崩れ、窪んでいる。
その後、ショウは【ファイアアロー】以外の魔法も試して全て成功させた。
「フッフッフ。そうだ、あのイノシシモドキには魔法の練習の相手になってもらおう。待ってろよイノシシモドキ! 俺の糧にしてやるぜ!」
ショウがバトル漫画の魔王のような不敵で禍々しい笑みを浮かべる。
「よし! そうと決まればこの広い森の中からイノシシモドキを見つけて狩る! そしてペルセポネをギャフンと言わせてやる」
え? 次回ですか?
次回は二週間後から始まりますよ。
つまり、ショウとイノシシモドキの戦いは全カットです。