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16章 十二の属性


 「属性ごとと性質?」

 

 「ああ、属性には有利不利だけでは無く、属性ごとに特徴があるのじゃ」

 

 

 ペルセポネは、先程のコップのように、何処からともなくホワイトボードと水性ペンを取り出し、ショウに説明をする。

 

 

 「え? お前今それどっから取り出した?」

 

 

 ペルセポネは、ショウの質問に、フッと鼻で笑う。

 

 

 「ショウよ。そんな事で驚いていてはこの世界では生きていけないぞ」

 

 

 「い、いや……驚いたっていうか、摩訶不思議(まかふしぎ)。疑問の方が大きいんだけど」

 

 

 ショウの言う通り、ペルセポネは魔法などを一切使用せずに、何処からともなく物を取り出す。その光景は異様以外の言葉では言い表す事が出来ないものだった。

 

 

 「まぁ、気にするな。神が使う種も仕掛けも無いただの手品じゃよ」

 

 

 「種も仕掛けも無い手品はただの奇跡だよ」

 

 

 「なんじゃそれは、名言のつもりか?」

 

 

 ペルセポネはショウを半笑いで茶化(ちゃか)す。

 

 しかし、ショウも段々とペルセポネのからかいに慣れてきたのか、軽くいなし説明を促す。

 

 

 「まったく、からかい甲斐の無い奴じゃのう」

 

 

 「うるせぇ。早く説明してくれよ」

 

 

 ペルセポネは、これ以上からかっても意味が無いと察した為、からかうのを止め説明を始める。

 

 

 

 「では、早速属性ごとの性質を教えるぞ」

 

 

 そう言うとペルセポネは、ホワイトボードを使い説明し始める。

 

 

 「まずは火属性、火属性は一撃の威力が高く、広範囲に攻撃をする事が出来る。その為、広範囲の殲滅に秀でている」

 

 「水属性は高い汎用性が特徴的じゃ。水の刃を作ったり、大量の水で敵を押し流したりする事が可能性じゃ」

 

 「風属性は発動までの時間が短く、風で相手を妨害する事も出来る」

 

 「地属性は地形の操作や防御、重く強力な一撃を与える事が可能じゃ」

 

 「光属性は発動までの時間が長い代わりに攻撃の速度がとても早いのが特徴じゃ。魂を持たない物に対して高い攻撃力を持つぞ。その代わり魂を持つものに対しては余り効果は見込めないのが特徴じゃ」

 

 「闇属性は生物、魔物に対して高い攻撃力を持つぞ。その代わり物品などの魂を持たない物に対しては余り効果は見込めないのじゃ」

 

 

 ペルセポネは六種類の属性について説明をホワイトボードに一つずつ丁寧に書く。

 

 

 その説明文をショウは真剣に見つめ、徹底的に頭に叩き込む。

 

 

 「なぁ。ペルセポネ、風属性と光属性の違いが分かりにくいんだけど」

 

 

 「ああ、風属性と光属性の違いかぁ。そうじゃのう。装填速度が早くて標準的な弾速の銃が風属性で、装填速度が遅くて弾速がもの凄く早い銃が光属性と言う感じかのう」

 

 

 「お前説明が的確で分かりやすいな」

 

 

 ショウの言う通り、ペルセポネの例えは的を射たとても分かりやすいものだった。

 

 

 「それは光栄じゃな。それと、他に質問は有るか? 無いなら上位属性の説明を始めるぞ」

 

 

 「ああ、よろしく頼む」

 

 

 「よし! 頼まれた!」

 

 

 ペルセポネはペンを手に持ち、今度は上位属性の説明を始める。

 

 

 「では、順番に爆属性から、爆属性は全十二属性の中で最も攻撃力の高い属性じゃ。その代わりとてもコントロールが難しいその為、全十二属性の中で最も扱うのが困難な属性じゃ」

 

 「氷属性は水属性同様、とても汎用性の高い属性じゃ。氷で相手の動きを封じたり、氷柱(つらら)などで直接攻撃を行ったり出来るぞ」

 

 「雷属性は風属性同様、発動までの時間が短く、高威力なのが特徴的じゃ。因みに天候が雨、雷雨の状態じゃと威力が上がるぞ」

 

 「鋼属性は防御壁や即席の武器を作る事に特化した属性じゃ。直接攻撃を行う技などは少ないが使う事が出来れば結構便利じゃぞ」

 

 「聖属性は結界の作成、浄化など、サポート的な技を多く持つ属性じゃ。因みに、回復や支援魔法を得意とする、回復属性(回復魔法)と混同されやすいが、この二つは別物じゃから気をつけるのじゃぞ」

 

 「最後に影属性じゃ。この属性は影に特化した属性じゃ。分かりやすく説明すると、影を操ったり、影を武器に攻撃をするなど厨ニ病患者が好きそうな属性じゃな」

 

 

 

 

 

 「ふぅ。これで六種類の基本属性、六種類の上位属性の説明は以上じゃ。因みにこの十二種類だけで無く、回復属性、死属性、呪属性(呪い属性)空間属性(空間魔法)、混合属性(混合魔法)など様々な属性がある」

 

 

 粗方説明を終えるとペルセポネは、粉受け(ペンやチョーク、黒板消しなどを置くところ)にペンを置き、今度は椅子を二人分何処からともなく取り出して腰掛ける。

 

 

 「何か質問は有るか?」

 

 

 「いや、今の所無いな」

 

 

 「よし! では、お主には一つミッションを与える。心してきくが良い」

 

 

 そう言うとペルセポネは、ショウの目を真っ直ぐ見つめ、ミッションを告げる。

 

 

 「二週間じゃ。お主に二週間の期間を与える。その期間の間に魔法の腕を上げるのじゃ。属性ごとの性質なども教えた、魔法の発動の仕方などは自分で学べ!」

 

 

 「じゃあな、妾は迷宮()に帰る」

 

 

 そう言うとペルセポネは迷宮の方へ歩みを進め、一人迷宮へと帰る。

 

 

 「スゥーー。えーーと…………」

 

 

 取り残されるショウ。歩くスピードが早くショウの目では見えなくなったペルセポネ。

 

 

 「が、頑張るぞー!!」

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