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11章 スキル③


 「では、まず、比較的簡単なスキル【鑑定眼】から説明を始めるのじゃ」

 

 

 ショウとペルセポネはダイニングテーブルに向かい合って座り、【鑑定眼】の使い方を説明し始める。

 

 

 

 「さっきのスキル説明の通り、鑑定眼とは万物を鑑定するスキルじゃ」

 

 

 そう言うとペルセポネは、おもむろにポケットから薄紫色の鉱石を取り出しテーブルの上に置く。

 

 

 「これ洞窟の壁にある鉱石か?」

 

 

 「うむ、その通りじゃ、この鉱石を【鑑定眼】で鑑定してみるのじゃ」

 

 

 「【鑑定眼】の使い方は鑑定したいモノに意識を集中させるだけじゃからすぐできると思うぞ」

 

 

 ショウはペルセポネの言うとおりに鉱石に向けて【鑑定眼】を使用する。

 

 

 

──────

 

 魔鉱石

 

 魔力が長い時間をかけて結晶化した物

 とても希少な鉱石で高い汎用性がある

 高値で取引される

 

────── 

 

 

 ショウは鑑定結果を見て言葉を失う。

 

 

 「鑑定は終わったか?」


 

 ショウはペルセポネの呼びかけによって我に返る。

 

 

 「な、なぁペルセポネ、この鉱石扉の先の洞窟に大量に有ったよなあ」

 

 

 ショウは説明文の違和感をペルセポネに訴える。

 

 

 「大丈夫、妾も同じ考えじゃ」

 

 

 ペルセポネの言葉を聞くとショウは今の気持ちを大きな声で叫ぶ。

 

 

 「希少どころか大量に余ってるよ!」

 

 

 「でも良かったでわないか、これでお主も大金持ちじゃぞ」

 

 

 ペルセポネの言葉を聞きショウは顔をニヤつかせる。

 

 

 「確かに、これで金に困る事は……」

 

 

 しかし、ショウは二つの肝心な事に気付く。

 

 

 「……俺達、この世界に来てから金使って無いよな、それにこの鉱石を金に変える場所すら知らないぞ……」

 

 

 「「…………」」

 

 

 二人の間に時計の秒針が刻まれる音だけが響く地獄のような空間が一瞬で作り出される。

 

 

 「ま、まぁ……今後街を見つけたらお金を使う機会も増えるじゃろうし買い取りもしてくれるじゃろうし……」

 

 

 地獄のような静寂を破ったのはペルセポネの覇気のない弱々しい声だった。

 

 

 「この近くに街あるのか?」

 

 

 「え? いや……その……ど、どうなんじゃろうなぁ」

 

 

 ショウの質問に答えたペルセポネは先程と同じくとても弱々しく上手く聞き取れない小さな声であった。

 

 

 

 「まぁいいや、次のスキルの使い方を教えてくれ」

 

 

 

 その言葉を聞くとペルセポネはさっきとは打って変わって生き生きと次のスキルの説明を始める。

 

 

 

 「次は【収納箱】の使い方じゃ」

 

 

 そう言うとペルセポネは席を立つ。

 

 

 「ペルセポネどこ行くんだ?」

 

 

 「【収納箱】の説明をするから取り敢えず外に出るのじゃ」

 

 

 

 ショウはペルセポネの後に続き外へ出る。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇魔鉱石の洞窟 午前十一時

 

 

 二人は扉の先の魔鉱石が大量にある洞窟に着いた(徒歩約三十秒)。

 

 

 「取り敢えずショウよ、カタログでツルハシを二つ購入してくれ」

 

 

 「え? ああ、わかった」

 

 

 (うーん……ツルハシなんて売ってるか?)

 

 

 ショウはペルセポネの言うとおりカタログでツルハシを購入する為に半信半疑でツルハシの項目を探す。

 

 

 「うーん……あ、あった」

 

 

──────

 

 ツルハシ

 

 鉱石の採掘などで使用する

 武器としても使える?

 

 

 一〇〇pt

 

 ・購入する   ・購入しない

 

──────

 

 ツルハシ 二つ(二〇〇pt)

 

 

 合計 二〇〇pt

 

──────

 

 

 ショウは購入したツルハシのうち一つをペルセポネに渡す。

 

 

 「で? これから何をするんだ?」

 

 

 ショウの質問にペルセポネはツルハシを手に持ちながら薄紫色の鉱石を指差す。

 

 

 

 「このツルハシで魔鉱石を大量に採掘するのじゃ!」

 

 

 「……え? どういう意味?」

 

 

 「そのままの意味じゃぞ?」

 

 

 

 ペルセポネはショウの質問に首を傾げる。

 

 

 「…………はぁ」

 

 

 ショウは全てを諦めた。

 

 ただひたすらに無心で魔鉱石を採掘した。

 

 洞窟内ではショウとペルセポネの二人がただひたすらに魔鉱石を採掘する音のみが響く、先程とはまた別の地獄が作り出される。

 

 

 〔三十分後〕

 

 

 ショウとペルセポネが採掘した大量の魔鉱石が山のように積み上がっっていた。

 

 

 

 「ふう、こんなものかのう」

 

 

 「なんなんだよこの量の魔鉱石は、魔鉱石のどこが希少なんだよ」

 

 

 二人は魔鉱石の山を前に正反対の反応を示していた。

 

 

 「で? この大量の魔鉱石をどうするんだよ」

 

 

 「うむ、これを【収納箱】を使って全て収納するのじゃ!」

 

 

 「はぁ?」

 

 

 ペルセポネの回答にショウはキレた。

 

 

 

 「いや、待て待て、落ち着くのじゃ。【収納箱】と言うスキルは様々な物を収納するスキルなのじゃ」

 

 

 「そんなの知ってるわ! お前は魔鉱石を【収納箱】に収納させる為だけにわざわざこんな事したのか?」

 

 

 ショウはものすごい勢いでペルセポネを怒鳴る。

 

 

 「は、はい、そうです」

 

 

 ショウのあまりの圧にペルセポネは敬語になる。

 

 神であることを疑いたくなるような本日二度目の弱々しい声で返事をする。

 

 

 「まぁ良い、【収納箱】ってのはどうやって使うんだ?」

 

 

 「えっと、何も無い空間に向かって、チャックを開く様な動きをすると【収納箱】が発動します」

 

 

 「まったく、最初からそう言えよ」

 

 

 と、愚痴りながらショウは【収納箱】を使用して大量の魔鉱石を収納していった。

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