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さよなら、愛する人
僕が死ねば、君の記憶が戻ってくると分かっているから。
僕は躊躇うことなく死を望む。
最後の1秒でもいいから僕を思い出して欲しいなんてわがままが脳裏をよぎるが、きっとまた叶わないだろう。
僕の余命はもう20分もない。
身体がどんどん弱ってきて、いつもだったら飲んで治っていた水すらも今は受けつけない。
君を思い出して吐いてしまう花の花言葉はどんどん悲しいものに変わっていく。
数ヶ月の戦いももう終わる。
こんな死に方はしたくなかったけど、君が僕を思い出せるのなら、僕は…