表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

猫とソクラテス

作者: 蕃茄子



飲み込まれて行く気がした

朝焼けの悪戯

怖くてつま先の缶を思い切り蹴飛ばした


虚しい音が響く

たかがそれだけの日常に

なにを一体期待してる?


コスモスの花が僕を見ている

くしゃくしゃの答案用紙

無愛想な太陽と目を合わせ照れ隠しして


回る 回る 輪舞を健気に

こんな言葉も知らなかったあの頃


路地裏に憧れて 来世は野良猫にしてくれ


ソクラテスは正しかったのか

そんなの絶対的じゃない

でも届いたはずなんだ 祈りとも取れる弁明


地球が燃えてなくなる日

この目で見れる前に

消えてなくなるのは僕らの方だからさ


せめて今だけをこの目に焼き付けて

網膜に焦げついて かさぶたで両目を塞いで

ふさいで ふさいで 不安を ふさいで


未だに眠れない朝焼け

人工物投薬

駆け巡る黒いもの黒いままにして


モグラ叩きみたいに

誰でもいいから叩き潰したい

貸してあげた教科書で

なんども叩かれてるあの子を見かけた


遺留分放棄中です

慰安旅行者事故情報です

異物混入救急搬送中です。

風化を免れない 甘えてる魚拓の優しさ


側溝に落ちた手帳を眺めている野良猫


ソクラテスは正しかったのか

そんなの今更なんだってんだ

でも 突き刺さるんだ 命が燃える音がする



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ