猫とソクラテス
飲み込まれて行く気がした
朝焼けの悪戯
怖くてつま先の缶を思い切り蹴飛ばした
虚しい音が響く
たかがそれだけの日常に
なにを一体期待してる?
コスモスの花が僕を見ている
くしゃくしゃの答案用紙
無愛想な太陽と目を合わせ照れ隠しして
回る 回る 輪舞を健気に
こんな言葉も知らなかったあの頃
路地裏に憧れて 来世は野良猫にしてくれ
ソクラテスは正しかったのか
そんなの絶対的じゃない
でも届いたはずなんだ 祈りとも取れる弁明
地球が燃えてなくなる日
この目で見れる前に
消えてなくなるのは僕らの方だからさ
せめて今だけをこの目に焼き付けて
網膜に焦げついて かさぶたで両目を塞いで
ふさいで ふさいで 不安を ふさいで
未だに眠れない朝焼け
人工物投薬
駆け巡る黒いもの黒いままにして
モグラ叩きみたいに
誰でもいいから叩き潰したい
貸してあげた教科書で
なんども叩かれてるあの子を見かけた
遺留分放棄中です
慰安旅行者事故情報です
異物混入救急搬送中です。
風化を免れない 甘えてる魚拓の優しさ
側溝に落ちた手帳を眺めている野良猫
ソクラテスは正しかったのか
そんなの今更なんだってんだ
でも 突き刺さるんだ 命が燃える音がする