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-!CAUTION!-
このネット小説は、残酷描写および、一部に性描写をあつかっています。
気分が悪くなったり、不愉快になられた場合は、即座にこのページから退室されることをお勧めいたします。
それを踏まえたうえで、この水色の夢にお立ち寄りくださいませ……。
――わたしは世界にぶらさがる。
空に手がとどかない。
いくら手をのばしても世界にふれられない。
真実もつかめない。
星と星のあいだには、空っぽの闇が広がってる。
形移ろう雲の、一分前の形なんて誰もおぼえてなんかいない。
枯れた草木は、すぐに土の中にとけていく。
わたしの神様は死んでいる。
わたしの世界は終わってる。
わたしの人生は泥まみれだ。
わたしは一人。
わたしは独り。
わたしは――ひとりぼっち。
母はいない。
父はいない。
兄もいない。
姉もいない。
弟だっていない。
妹だっていない。
友達も親戚も従兄弟も従姉妹も伯父も伯母も祖父も祖母も――
誰も
だれも
いない
いない
イナイ。
わたしは――この世界でひとりぼっち。
弱肉強食の生態ピラミッドからはみ出した――どうにかこうにかピラミッドのはしっこにぶらさがっているだけの、とてもとてもいやしい生き物なんだ。
だけど、ある日。
わたしの中で、何かが揺れた……。
揺れたのよ……。
ある箱の中に飛び込んだ。
箱が燃えた。
生き残ったのはわたしと【あなた】だけだった。
逃げ出した。
追いかけられた。
それが、全てのはじまり。
わたしは逃げた。逃げ続けた。
あなたといっしょに。
わたしと違って、あなたはからだも弱いし力もないけれど、わたしはあなたのことを疎ましくなんて思ったことないよ?
あなたは、わたしにとっての過去。
あなたは、わたしにとっての明日。
あなたは、わたしにとっての全て。
あなたは、わたしをみて何を思ってたのかな?
わたしを、どんなふうに見ていたの?
母親?
恋人?
それとも他人?
どれでもいいし、うれしいよ?
わたしにとってのあなたは……とってもだいじなたからもの。
とどかない星空に、わたしは今日も手をのばす。
のばして、わたしはこぶしを握りしめる。
これは、世界への宣戦布告。
心配ないよ。
あなたはわたしが――
かならず
かならず
まもるから。
BLACKBOX
Being
Saya
Nestorm
PRESENTED BY
TSUKASA SATO
syosetuka ni narou site
○空想科学祭は小説投稿サイト「小説家になろう」でのSFジャンル充実を図るべく計画された有志参加企画です。
○ 開催期間は2008年9月1日〜10月31日まで
小説投稿期間は9月1日〜10月15日まで
読者投票は10月31日まで
○こちらの企画は、小説投稿サイト「小説家になろう」内で作者登録しているWEB作家による競作企画です。
○レビューやお勧め紹介、イラスト掲示板など、小説投稿以外の企画はどなたでも参加いただけます。お気軽にどうぞ。
○掲示板等書き込みの際、他者への誹謗中傷・名誉毀損、また、猥褻画像・残酷画像の投稿はおやめください。見つけ次第消去します。
※執筆には十分注意しておりますが、万一の誤字脱字があった場合にはご報告いただけないでしょうか。ただちに修正いたします。
※本作品の無断転写・複製・転載を禁じます。
【BLACKBOX 〜Being Saya Nestorm〜】
Ncord:N9771E
空想科学祭ホームページ http://sffesta2008.soragoto.net/
小説家になろうホームページ http://syosetu.com/