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音のない世界  作者: 横須賀かもめ
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ありふれた言葉がいい④

 フィリピンで外国人が住む場合は、セキュリティを考慮して、ガードマンが常駐するゲート内の住宅街に住むのが安全で一般的である。

 ダバオ在住の日本人ロングステイヤーの拠り所にとなっている。

 日本フィリピンボランティア協会があるエリアには、緑豊かで閑静なビレッジ・ベリサリオ・ハイツがある。




 ベリサリオ・ハイツのゲートの外側のカーメライト通りに面したサービスアパート“あやめレジデンス”が恵の住まいである。

 家具なしの部屋と家具付きの部屋があり、またバスタブを供えた部屋もある。

 月当たりの賃料の目安は一万8000ペソから(家具なし)、二万4000ペソから(家具付き)。

 家具付きの部屋は、冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・調理器具、食器完備で、2ベッドルーム、2トイレシャワーが基本。

 その家具付きの部屋が恵が住んでいる部屋である。




 家に着き、パソコンの電源を入れるとメールの着信を見る恵。

 メールボックスには奄美からのメールがあり読むと、三日後にこちらに着くらしい。

 冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、ソファに腰掛ける恵。

 飲みながら、奄美と会った時の事を思い出す。

 隣にいた綺麗な女性は、奄美の彼女なのだろうか‥‥‥?




 そういえば、師匠の高村の姿が見えなかったのも気になった。久しぶりに喋りたかったのだが‥‥‥。 

 泰斗とガリクソンが何やら話していたのも思い出す。

 一体、何を話していたのだろう‥‥‥。

 奄美とガリクソンが話していたのも思い出した。




 話したいことが山ほどあるのに、実際会ったら会話を探すのに苦労しそうだなという事が、はっきりイメージできた。

 悩んだところで、時間がとまる訳ではない。

 悩のに時間を使うぐらいなら、身体を動かしてる方が楽だ。というのが恵の性格である。

 最近始めたヨガで、一時間ばかり身体を動かす。




 気持ちを切り替え終わったところで、奄美を迎える準備をしようと思い、将棋を皆に教えるため作業に入る。




 次の日から、通常の仕事をこなしながらの準備をしていると、思ってたよりも時間がかかりあっという間に、奄美がフィリピンに来る日の朝を迎えてしまった。

 起きていつもよりも念入りにメイクをする恵。




 普段はメイクに力を入れない恵だが、この日は特別と自分に言い聞かせ、入念にメイクをしていると、迎えに行く時間が近づいてきてしまった。


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