小説の名は「誰がタメ」 その⑧
「今は将棋に集中してるって事ですか?」
「かもしれないですね」
インタビューをしている傍らで、迫田は昼休憩終りで動いている局面を盤面に表している。
チラッとモニターと盤面を見る森田。
「気になりますか?」森田に尋ねる泰斗。
軽く頷く森田。
すると雨竜が「この対局の解説なんてお願いしていいですか?」
「もちろん」と盤面に動く三人。
盤面を見ると、昼休憩前よりも色々な駒が当たっている。
素人目から見ても戦いが始まっているのが分かる状態だ。
「これが中盤というやつですか」と誰にという訳ではなく呟く泰斗。
「詳しいですね泰斗さん、さすが奄美君の親友ですね」と森田が綺麗な瞳を向け泰斗に話しかける。
たじろぎながら「いやいや、親友でも将棋は分からないですよ。何か駒がいっぱい当たってたから中盤かなと思って‥‥‥」
盤面を覗き込み考え込む森田。
盤面を挟んで、その姿をじっと見てる迫田。
雨竜と泰斗はその二人の姿をじっと見ている。
「迫田君はこの局面どう思う?」
森田に尋ねられたじろぐ迫田「い、い、いやどうなんですかねー‥‥‥森田さんはどう思います?」
「質問返し!」「必殺の!」など泰斗と雨竜が茶々を入れる。
「そりゃそうなりますよ! 僕の立場に立ったらなりますからね絶対に!」
「気を遣わなくてもいいのに」とつぶやく森田。
「使いますよ。事務局まで、他の人が来ないように、この控室特別に用意してるんですから」
「まぁ熱くならずに迫田君。僕たちに局面教えてよ」と泰斗が優しく納得してもらう。
「そうですね。先手の奄美さんが優勢かなと思いますね」と盤面を見ながら答える。
同じく盤面を見ながら森田も「僕も先手の奄美君の方が優勢だと続く。
めちゃくちゃ嬉しそうな迫田。
そこは突っ込まないでおく泰斗。




