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音のない世界  作者: 横須賀かもめ
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小説の名は「誰がタメ」 その②

  東京体育館を少し見たく思った泰斗だが、

雨竜に合わせ道を進む。

 オシャレな街並みを進めば、鳩森八幡神社に着く。

 将棋漫画、将棋映画にも登場する神社である。




 対局前に奄美も、ここに立ち寄ることはあるのだろうか? 今度聞いてみようと思う泰斗であった。

 「知ってる? ここは将棋漫画や映画で、有名な神社なんだよ。ここで奄美さんも、お参りとかしてるのかな」と雨竜雷が言いながら、デジカメで辺りを撮りまくっている。

 鳩森八幡神社を出ると、すぐ将棋会館に着いた。

 千駄ヶ谷の駅からでも、十分弱で着く場所にある。

 「早く急がないと、対局始まってしまいますよ」と言うと、「泰斗君が遅いから」と言われたので、「いやいや「雨竜さんが、行くところ行くところで、時間喰うからですよ」と返す。



 「奄美さんとは、喋れるのかな?」

 「いや、対局終わるまでは見るだけになります」

 「そっかー喋りたかったな」

 東京将棋会館は、一階が販売部のようで、将棋の本・駒・盤が売っている。

 二階は、一般の方が将棋を指せる教室になっている。お金を払えば、将棋を指せるそうだ。

 三階が事務室で、泰斗と雨竜はまずそこに向かうように奄美に言われている。

 四階・五階がプロ棋士が対局する対局場になっている。

 プロと一般の方が同時刻に、同じ建物で将棋を指す不思議な空間である。

 館内に入ると、人が結構いる。



 一般の方なのか、プロ棋士なのか、マスコミ関係者なのか分からない‥‥‥。

 三階の事務室までエレベーターで行き、事務員さんに挨拶をし、対局観戦の注意事項を伝えられる。

 まとめると観戦中は、喋ってくれるな、写真は勘弁してくれ、対局者の心情を察した行動をしてくれとの事だった。



 「もちろん御迷惑かけません」と伝えると、横で雨竜も頷いている。

 後、一つインターネット番組の中継があるみたいで、雨竜雷に撮影されていいのか聞かれた。

 すると雨竜が「もちろん」と答える。

 四階の対局室に入ると、記録係の子がもうすでにスタンバイしている。

 時間は九時五十分だ。

 奄美が対局場入ってくる。



 スーツ姿に鞄を抱え、まるでサラリーマンの出社と思わせる出で立ちだ。

 対戦相手の方も入ってこられた、スーツに鞄にコンビニで買って来たであろう、ペットボトルが三本ぐらいが入っている、コンビニの袋も持っている。



 奄美よりもクラスが上の、A級に所属する棋士、武知九段三十九歳だ。

 お互いが盤面に向かい合い座る格好になっているが、目を合わすことも挨拶をすることもなかった。

 時間になり、武知が駒を袋から出し始めた。

 後で聞くと、上位者の方が駒が入った袋を出すそうだ。



 二人が交互に駒を並べ始める。

 駒の並べ方も、伊藤流と大橋流があり、現在のプロ棋士は、大橋流で並べる人が多いようだ。

 大橋流は、9枚の歩をいちばん最後に並べるため、飛、角、香が敵陣に直射します。

 これは相手に失礼ということで、伊藤流が考え出されたという。




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