別れがあれば出会いもある②
「喪主!」歩きながら「それ俺の仕事じゃなくない?」と進に言うと、進が「オトンも兄ちゃんの方が、祖父ちゃんも喜ぶだろうって」と話しながら家に入る僕と進の二人。
母親を見つけると、母親は近所の奥様方と料理の準備をしている。
今、声をかけると面倒くさそうなので、父を探しに二階に上がろうとすると、階段から掃除道具を持って、まさみと一緒に降りてくる父。
父が「まさみちゃん、道場の掃除手伝ってくれるって!」と、そんな事よりもそれは大事だけどもだけれども、何故なら道場の掃除は我が家の誰もやりたがらない事柄の一つだからだ。
「まさみ、道場の掃除以外にもやることあるぞ」
まさみが笑顔で「私、こっちでいいよまずは!」と言ってくれる。
「で俺が、喪主するの?」
「頼めないかな」と父。
「いや、オトンがした方が」と抵抗してみるが、「奄美、有名人だからさ」と言って、まさみと道場に向かおうとする。
「いやいや、オトンがやれよ!」と言うと、「進、オマエも掃除手伝え」と言って、三人で道場に向かう。
置いて行かれたので仕方なく、母がいる台所に向かう。そこでは近所の奥様方と一緒に料理を作っている母。葬儀の準備は忙しいみたいだ。
奥様方と挨拶をそこそこにし、母に「喪主、俺がやらないとダメ?」と聞く。
すかさず「やってあげてよ」と母が言う。
「オトンがやればいいと思うんだよなーてか普通、オトンでしょ」と軽く反発してみる。
「ダメよアレは! 緊張しいなんだから、アンタの参観日に、アンタよりも緊張してたじゃない!」
そんな事もあったなと、父が後ろで緊張で全身震えてた。数日間は学校でヒーローになれたもんだ。
「だから喪主なんかしたら、お祖父ちゃんに続いてあの人まで逝ってしまうわよ」と中々強烈な言葉が返ってきたので諦めることにした。
居間の方に本を持っていくと、お祖父ちゃんが身繕いされて、今は葬儀会社の人によって死化粧がされている。何故、家族が誰もここにいないのか‥‥‥代わりに隣の佐伯さんの奥さんが、葬儀会社と打ち合わせをしている。




