三歳児の子供がリュックを背負っる姿は何事にも変えがたし可愛さである⑥
「ホント、久しぶりー元気にしてたよ。ガリクソンも元気そうで」と恵もハグする。
「バカンス、タノシンデル?」と笑顔で聞くガリクソン。
「うん」と視線を外して答える恵。
「ナニカ、アッタ?」心配そうに恵を見るガリクソン。
「大丈夫、大丈夫! 何処か店に入る?」
「アッ、カワゴエノコエドヲ、ミタイトオモイマス」とガリクソンが言うので、「そうね、ちょっと町歩こうか」と恵。
川越の小江戸を、ガリクソンに案内する恵。
ガリクソンは見るもの見るものを、「グレート、スバラシイデス。ステキデス」と感動してくれている。
しばらく川越を探索して、緑と会ったカフェに入る恵とガリクソン。
恵は抹茶ラテを、ガリクソンはオレンジジュースを注文する。
お互いの飲み物を飲んで、一息ついた所で恵が、「どうして日本に?」と聞く。
「メグミニアイニキタンデスヨ」とガリクソンが笑う、続けて「メグミノ、ウマレソダッタトコロミテミタカッタカラ」と。
「でどうだった初めての日本は?」と恵が聞く。
目をキラキラさせながら、「スバラシカッタ! ヒトガミナサン、アタタカイ! ゴミヲミンナ、チャントヒロウノニカンドウシマシタ。アト、ミンナドコデモキレイニ、ナラブノニモビックリ! チイサイトキクンレントカシテルノ?」と興奮気味のガリクソン。
「東京から川越までだよね?」、確かガリクソンによると、東京について恵に連絡したと
言っていた。
「ソウデス! トウキョウノコウキョト、スカイツリートアキハバラニイキマシタ」と。
皇居に行って、スカイツリーを見て、秋葉原に驚愕してらしい。
「アキハバラハ、ニホンノスベテガツマッテル!」とガリクソン。
「秋葉原が日本の全てじゃないけどね」
「バカンス、タノシンデマスカ?」とガリクソンが何気なく聞いてくる。
「う、うん。楽しんでるよ」と少し戸惑いながら答える。
「タノシンデナイノ?」、ガリクソンは人の機微を感じるのに優れている。
アメリカの男性は、皆こうもレディーファースト精神があるのかといつも思う。
「そんな事はないんだけどね」
「ソレデモ、キブンハハレナイト」
「ガリクソン、日本語上手くなってない?」
「ソンナコトアリマセンヨ、メグミハオセジガ、ウマイデスネ!」おどけて気遣ってくれるガリクソンだったが、「メグミハ、ニホンニカエッテキテコウカイシテルノ?」と聞いてくる。
直球の質問に答えられずにいるとガリクソンが、「ナニガアッタノ? イエルナラキクヨ」と優しく微笑む。
「昔のことを思い出しちゃって、良い事も悪い事も‥‥‥」
「ソレガ、コキョウトイウモノカモシレナイネ」とあっけらかんと言うガリクソン。
「いつまで日本にいるの?」
「メグミガ、フィリピンニモドルマデカナ」
とまた優しく微笑みガリクソン。
「何、一緒にフィリピンに帰るの?」とおどけて見せる恵に、「モニカモ、クビヲナガクシテマッテルヨ!」と教えてくれる。
「モニカに、早く会いたいなー」
砂浜で微笑むモニカの姿を思い出す恵。ガリクソンとモニカ、思い出すのはいつも二人の笑った顔だ。
「ちょっと、病院に付き合ってくれない?」
「‥‥‥ソ、ソレハ、メグミ、タイチョウワルイノ?」心配そうに聞くガリクソン。
「あっ違う違う。知り合いのお見舞いに」と付け加える恵。
「ボクガ、ソンナトコロニイッタラシツレイジャナイ?」と素直に言うガリクソン。
「大丈夫、大丈夫。そんな事気にする人ないから」




