Drive in!(4)
9月25日 対総野高校戦
川口紗綾 9得点
紗綾は悔しかった。
悔しい以外の気持ちがわかなかった。たった2日で変われないことも、相手が強豪でディフェンスが堅いことも分かってた。けどたったの9得点では……
試合後、紗綾はドリブルの練習を一からやり直した。何故あそこまでなったかは分からない。けど悔しさが自然とそのような行動に移った。
しばらくして三池コーチが声をかける。
「もう体育館閉めるぞ。」
「……はい。」
「まぁそう落ち込むな。今日の試合は負けたとはいえ県ベスト4相手にいいプレーが随所に見られた。」
「私は何もできなかった……。」
「いや、オマエはたった2日で凄く成長したよ。今まで自分から攻撃を仕掛けないフォワードが自分から仕掛けて9得点も奪ったんだ。それだけでも大きな成長だよ。」三池コーチの目は優しかった。
「たったの9得点ですよ……。」紗綾は自虐的な笑いを浮かべながら呟く。
「2日。しかも基礎教えただけで9得点だぞ。俺はこれからが楽しみでしょうがない。俺はオマエはいずれこのチームのエースになれると今日確信した。そう思わないか?」
「エースですか……。」紗綾はぽつりと呟く。
「偏差値70のエースだよ。この学校らしいじゃねーか。」
「らしいですね…。あはは。」
「また明日から特訓だ。」
「はい!」紗綾は笑顔で答えた。
(負けた。…けどきっかけを得られた。)紗綾は前向きな気持ちで家に帰ることができた。
続く




