オマエが変わればチームも変わる!(4)
「……うー眠い」
紗綾は布団の中から時計を見る。5時30分。
「やばっ…起きなきゃ…」
すぐさま着替え、ランニングに出かける。紗綾は毎朝30分ランニングするのが日課だった。ランニングの後、さっと朝食を済ませ、学校に向かった。学校に着くとまず体育館に向かう。朝練の為だ。
「シューティング100本にするか……」と決めた時、
「おーい川口か?」
「はい、ってコーチ!おはようございます。」
「ちょっと話があるから来てくれ。」と三池コーチ。
(急になんだろう……?)と紗綾は思いつつも体育教官室に向かう。
紗綾はノックしてから、「失礼します」と言って教官室に入った。
「おう川口、ここに座ってくれ」とソファーを指差す。
「はい。私がどうかしましたか?」
「いや、渡部先生に試合のビデオを見せてもらってな。ちょっと気になったことがあったんだ。」
「何ですか?」
「川口。オマエポジションはどこだ?」
「フォワードです。」
「よし。自覚はあるな。」
紗綾は三池コーチが何を考えているかが分からなかった。
「「forward」の原義は何だ?偏差値70のオマエならわかるはずだ」
「「前を向く」です。」
「そうだ。じゃあ何でパスを受けてまずゴールを見ない?」
紗綾はハッとした。確かにパスを受けてからやたらと慎重になる癖があった。
「それはー…」
「チームプレイということを意識してしまうのか?」
「はい……。」
「フォワードというのは何点取りに行ってもいいんだ。ただそれがチームの為の得点ならだ。」
「どういうことですか?」
「自分が点を取ることでチームに流れを呼ぶプレイヤーになれ。つまりエースにだ。オマエなら理解しできるはずだ。いや、やらなければならない。オマエが変わればチームも変わる!」三池コーチは強く言い切った。
「私はどうすればいいですか?」紗綾は訊ねた。
「毎朝7時45分に体育館に来い。俺が一からフォワードというものを教える。来れるか?」
「大丈夫です!よろしくお願いします!」紗綾は今までの自分から何か変わったように感じた。
続く




