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敗けたエース(2)
(何て言ってあげればいいんだ……)三池は悩んだ。だがベンチから下がり、選手全員が集まると自然に言葉が出てきた。
「ひとまずお疲れ様。良い試合だった−−」
三池は一瞬言葉が出なかったが、
「とは言えんな。事実、勝てた訳ではないからな。」三池は選手の顔を見回す。
「だが、可能性を大いに感じた試合だった。これも事実だ。だから泣くな川口。」
「はい……。」涙を拭いながら答える。
「悔しいだろう。俺もすごく悔しい。だが、悔しいならやることはわかっているよな。」
「勿論です。」雅が答える。
「それならばいい。この試合が今後の糧となるように練習していくぞ。」
「はい!」
選手全員が前を向いていた。




