エースの地獄(3)
−−第二ピリオド
陽明ボールから始まる。
パスが、紗綾のマークする西に回る。
(もう抜かせない……!)
紗綾は一段と低く構えた。身長差があるため、低く構えないと簡単に抜かれてしまう。
すると、次の瞬間、西がシュートモーションに入る。紗綾はシュートだと思い、チェックしに行く。しかし、西のモーションはフェイクで、その流れのままドライブに入り、あっさりとレイアップを決められた。
(しまった……。)その紗綾の顔を汗が流れる。一方の西は涼しい顔で紗綾のオフェンスに備えている。スタミナの差ではなく、ペース配分のミスだと紗綾は悟り、深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
再び雅からパスが回って来た。今度は大きくドライブのフェイクをいれる。それに西が反応したのに気付き、そのままシュートを放とうとした。
が、撃とうとした瞬間、ボールを持っていなかった。西にはたき落とされていた。そのまま速攻されそうなところを、雅がパスカットして止めた。
(助かった…)と思っていたところ、雅からやり返してこい、と言わんばかりにパスが来る。紗綾は西が完全に戻りきれてないところを突きドライブする。相手ディフェンスもカバーが出てきたが、それをもかわし、シュートを決めた。
そのあとは再び膠着した。しかし、残り40秒で西に再び決められた。さらに陽明ディフェンスがプレスをかけてきた。たて続きにパスをカットされ、連続得点を決められる。完全に陽明ペースに持っていかれた。第二ピリオド終了
吉瀬36-51陽明学園。
用語解説
プレス…ディフェンスの際に、全員が前にでて、文字通り相手にプレッシャーをあたえてパスをカットし、そのまま速攻に持っていく。一言で言うと「攻めるディフェンス」。プレスの突破力がないチームは大抵餌食になる。




