Winter Cup!(5)
佑樹から話を切り出す。
「川口さん今日何点取った?」
「22得点だよ。」紗綾は答える。
「凄いじゃん。俺今日は19点しか取れなかった。」佑樹は悔しそうな表情を浮かべる。
「珍しいねー。」
「ホント絶不調だったわ。」
やりとりがしばらく続いた後、ふと紗綾が佑樹に訊ねる。
「『エース』って何だと思う?」
佑樹はしばらく考え込んだが、やがてこう言った。
「一番努力して、一番上手くなって、一番チームのなかで認められて、そして何より誰よりも一番バスケが好きな人じゃないかな?」
「なるほど…。コーチは私ならできるっておっしゃったけど柳瀬君はどう思う?」
「なれる。絶対なる。少なくとも俺はそう思う。」
「何で?」
「だって毎朝一番最初に体育館に来て練習しているのをよく見るし、声もよく通るし、一番真面目にバスケに取り組んでいるじゃん。」
「そっか。ありがと。」紗綾は何故か嬉しかった。
「明日の相手は陽明でしょ。頑張ってね!」
「うん、男子も頑張って!」
そう言うと二人は別れ、家路についた。
家に帰って一通りやることを済ますと、マネージャーの山井梓からもらったデータを見る。
3P内シュート5/8、3Pシュート4/6、ディフェンスファウル2……。
「ちょっと外のシュート多かったかなぁ…中のシュートの精度もあまり良くないし…」と一人反省会を始める。
「明日は陽明学園か……。なんか緊張するなぁ…」
紗綾はベランダにでて大きく深呼吸する。
(大丈夫。自分が緊張したところで変わらない。)紗綾はそう自分に言い聞かせながらベッドに向かった。




