いふ話~もしもあの続きがあったら~金な人
(金田祐里の場合)
「ねぇキミちゃん?俺たち、出会って一年になるよね?そろそろ、キミちゃんのカワイイ声が聴きたいなぁ。…俺だけが聴ける、甘ーい声が。キミちゃんがあんまり喋らないのは知ってるけど、俺には聴かせてくれてもいいと思うんだ。俺たちの仲だし?それで、出来れば一緒に出かけたいし、……ん、ちゅ。これ以上のこともさせて?大丈夫。…優しくするから。ね?」
『ね?』じゃねぇーーー!!
「キミちゃんはさぁ、見てて心配になっちゃうんだよね。風紀委員のヤツとかクラスのヤツとか目障りな後輩とか?狙われすぎじゃないかなー。…あんまりおイタが過ぎると、俺の所有印付けまくっちゃうぞ?だから、……早く俺のものになりなよ。」
エマージェンシーエマージェンシー!耳レイプ犯がここにいます!思わず頷いてしまいそうになる声で後戻りが出来ないようなことを聞かれてます!
「何をそんなに躊躇うの?俺のこと嫌い?…少しでも可能性があるなら、俺にチャンスをちょうだい?大事にするから。」
いつになく真剣な声で真剣なことを聞かれてしまった。多分、はぐらかしちゃいけないんだと思う。
……金田先輩のこと、嫌いじゃない。むしろ好きだ。優しいし、勉強教えてくれるし、声めっちゃ好きだし(すごい重要)、声めっちゃタイプだし(何よりも重要)、その声に包まれて死にたいって思うし(とにかく重要)。でも、あまりにも乙女CDを意識しすぎて、こんなんで付き合っても不謹慎なんじゃないかとも思う。…どーすればいいんだろ。
「…悩むってことは、俺にも希望があるって捉えてもいい?今はそこまでじゃなくてもいいんだ。俺がちゃんと追いつかせてみせるから。だから、俺と付き合ってください。キミちゃんが好きで好きで堪らないんだ。」
声から気持ちが滲み出すぎて、先輩の切ない想いまで私に届いてきた。つくづく声ってすごい。萌えるだけじゃないんだね。
私は、小さく頷くことで答えを返した。
「…………ほんとう?本当に俺と付き合ってくれるの?」
(コク)
「すっっっっっっごく嬉しい!!!ありがとうキミちゃん!これでキミちゃんを縛りつけられるね!」
えっ?しば…えっ?
「あぁごめん。何でもないよ。嬉しくてつい本音が…。ねぇキミちゃん。彼女になったならさ、声、聴かせてくれるよね?」
こえ…。喋れるかな。
「………………金田先輩?」
ガバッ!
「!!!」
「あぁもうカワイイ!ずっとこの声が聴きたかったんだ!もっと、言って?」
(フリフリ)
「もう言ってくれないの?……まぁいっか。これからいくらでも聴けるんだし。それに……俺が"啼かせて"あげるね?」
ななななかせる?なにを!?
「はぁ。キミちゃんいい匂い。ずっとこうしてたいな……。ねぇ、キス、していい?」
だだだだダメ……あっ!
「ん……ちゅ、はぁ、もっかい……ん、ん。ちゅ、ちゅ……キミちゃんも声出して?俺だけじゃイヤ……ん。」
「んん!……あ、ん!…せ、んぱ……ぁん!やぁ……!」
「……ふふ、恥ずかしがってるキミちゃんかーわいいっ!…もっと感じさせたいなぁ。…ん、ちゅ、ちゅく、ぅん……。はぁ、でももう授業始まっちゃうから、この続きはまた今度ね?ん、ちゅ。これで最後。…ちゅ。……今日から一緒に帰ろうね?」
そう言って金田先輩はピンクな空気だけ残して戻っていった。
ってかノッケからこれですか!?くくく口はもちろんだけど、耳からも犯されてる気分でしたよ!?腰が抜けて動けませんね!元から具合悪くないのに、授業出れませんよね!?
今気づいたんだけど、私もしや早まった!?
リップ音が多いのは仕様です。一応乙女CDの世界なので。