生徒会長の謎その③
ピンポーン
家のベルが響く。
「はーい、ただいま」
家に帰ってから2時間ほど寝た頃、時刻は午後4時。
「鏡、買い物付き合って」
そこには久美の姿があった。
「やだ、寝る」
「ちょっと、あんたの今日の晩御飯のためなんだから、すこしくらい付き合いなさいよ」
袖をつかまれる。
「なんだよ、おふくろは今日も遅いのか?」
「そう」
「分かった、支度してくる」
「しかたない、3分間だけ待ってやる」
どこかの大佐様みたいな台詞を聞き流しながら家の中に戻る。
「遅い」
「1分もたっていないはずだがけどな」
財布を取りにいっただけだ。
「早く行こうよ、何が食べたい?」
「なんでもいい」
「それが一番困るのよ」
「じゃあ、食べ物」
「残念、石鹸でも食べさせようと思ったのに」
「今は?」
「虫かな」
……。
「そういえば、肉じゃがとかたべたいなぁ~」
「肉じゃがねぇ、分かった」
危ない危ない。
「200g349円……ん~」
「別にどれでもいいだろ」
スーパーのお肉売り場で頭を悩ませる久美。
「よくないわよ、一円だって安いもので作りたいでしょ」
なにかこだわりがあるみたいだ。
「そういうものか」
急にお肉売り場を離れる久美。
「おい、買わないのかよ」
ふと肉無しの肉じゃがが脳裏に浮かぶ。
「お肉は別のとこで買う」
「…………」
3軒目にしてようやく満足してくれた。振り回されてもうくたくただ。当の本人は満足げに鼻歌を歌っている。
「まったく……」
「まったくなんだって?」
しかもこっちの独り言をしっかり聞いている。
「まったくいい嫁になるっていったんだよ」
「え、そ、そうかな……」
赤くなりぶつぶつ言って黙り込む久美、気分でも悪いのだろうか。
「どうした気分でも悪いのか?」
「大丈夫、大丈夫だから」
再び前を向いて歩いていった。
「女って、分からねえ」
「ついた、じゃお休み」
睡眠の続きを貪ろうとベットへ向かう俺。
「ちょっと待ちなさい」
しかし袖をつかまれあえなくストップ。
「どこ行く気?」
「寝る、できたら起こしてくれ」
「起こすって私が?」
次第に顔が赤くなっていく久美、いったい何を考えているのだろうか。
「そ、そんなのだめなんだから、あんたも一緒に作んのよ」
「やだ、めんどくさい」
「じゃあいいわ、その代わりモモと同じご飯食べるといいわ、直々に私がよそってあげる」
モモは久美のうちの犬だ、つまり俺の飯はドックフード……。
「喜んでお手伝いさせていただきます、久美様」
「よろしい」
という事で始まった料理の時間。
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