鑢鏡の異変その①
「最近、鑢変じゃないか?」
放課後の生徒会室、そこでその異変に気づいたのは如月だった。
「変? なんのことだ」
会長の疑問に少し眉間を寄せ再び如月は口を開いた。
「違和感……というべきか、説明しにくいんだが……」
「違和感ですか?」
その会話に音色が混ざる。
「分かるんだ、長い間多くの修羅場をくぐってきたそんな俺と、あいつだからこそ」
「そうじらすな、答えを言え」
「今のやつはまったくといっていいほど隙が無い」
如月の言い放った言葉に二人は頭をかしげる。
「隙?」
「殴り合いをするときだけじゃない、なんでもないような日常そんなときに必ず隙って物ができる、でも隙って言うのはある程度なら意識すれば無くせる」
「だったら意識してるんじゃないのか?」
「だとしても異常なんだ、俺が見ている間だけだとしても少なくとも3時間以上この生徒会室で」
「それってすごいことなの?」
「ずっと針の穴に糸を通しているようなものだ、休まずに」
「しかしできないことじゃないんだろ」
「確かにできる、しかしそれをする意味が分からない、だからこそ変、異常なのだ」
がらりと生徒会室の扉が開かれる。
「ちわっす」
鑢鏡、その人だった。
(今それを証明してやる)
目の会話という妙技を果たす鏡以外の生徒会メンバー、そんな中如月が立ち上がった。
「お茶頼めるか?」
「あ、はい」
荷物を置くと鏡は動き出した。
「どうぞ」
「すまない」
お茶を受け取る寸前わざとお茶を如月は手を離した。
((まさか!?))
右手で渡し落ちていくお茶を左で一滴もこぼさずに受け止めた、そしてそれをそのまま如月の手まで運んだ。
「気をつけてくださいよ」
この異変は3日前から始まっていた。とある人物の訪問によって。
新章の開幕です
話の中で少し出てきた? あの方が出てくる予定です
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