鑢境は静かに暮らしたいその①
ジョジョネタが多めですw
以上!!
俺が眼鏡を愛すようになったのは中学のころ……大型デパートに行ったとき眼鏡ショップで並んでいる…眼鏡を見たときですね……なんていうか……その……下品なんですが……フフ……勃起……しちゃいましてね。
流石に目が悪くないから眼鏡は買ってもらえませんでしたが、カタログを切り抜いて一緒にご飯食べたり、壁に貼ったりしましたよ。
そのあと小遣いを溜めて、早速眼鏡を買いました。ジェイドという名前をつけてデートに行ったりしましたよ。
それからも少しずつ誰にも気付かれないように少しずつ買い続けて、今では48の眼鏡が家にあります。
「ねぇ、鏡、昼飯食べようよ」
幼馴染こと杉浦久美、説明? 眼鏡はかけていない以上。
「すまないが……遠慮するよ……これから課題を提出しなくてはいけないんだ……それでは」
「やめとけ、やめとけ、あい……」
「黙れブ男、あんたの数十倍鏡の事なら知ってるわ」
「……ごめん」
山本……ドンマイ。
「幼馴染に「お昼」を誘われただけじゃあないか……、君とお昼を食べる約束をしたのに行くわけ無いだろ? すぐに断ったのを聞いてただろう?」
校庭の一角の木に腰を下ろすちょうど校舎からは死角の位置だ。
「心配は要らないから一緒にお昼を食べようじゃないか」
さっきから俺が話していたのは白いハーフフレームの眼鏡、名前は冴。
「いい学校だ……霜月学園……こんな素晴しい学校が他にあるかな……君もそう思うだろう?」
「そうだな、私もそう思うよ」
「ん? 今話したような……」
そこにいたのは生徒会長、なんとすばらしい眼鏡率……って。
「生徒会長! 貴様見ましたね」
「見たと言いうと……?」
「えっと……いえなんでも」
何だこの状況、俺は静かに眼鏡と暮らしたいだけなのに。先ずは状況を確認しなくては、彼女の口調からして見ていない、もしくは見ていたとしても状況を理解していないのどちらかだ、となるとこの状況を打破するためには……。
「演劇の練習をしてまして、すいません」
「君は確か2年6組18番、鑢鏡君だよね? 部活には所属してないはずだったけどな」
何故そんなに詳しい、この生徒会長手ごわいぞ。
「オペラとかが好きなんですよ」
しかし1年以上関係の無かった人と1日で二回も会うとは。
「そうなんだ、それは失礼したね」
「こちらこそ、一人でぶつぶつ言ってたら誰だって驚きますよね」
「私はてっきり眼鏡と話せる特殊能力でもあるのかと思ったよ」
え?
「…………いつからそこに」
「『心配いらないから一緒にお昼を食べようじゃないか』ってところから」
「…………」
なんかごまかしきれない気がする。
「ところでその手に握っているものはなんだい?」
勿論眼鏡だ。
「こ、これは……」
「嘘は君のためにならない、すでに質問は拷問へと変っている」
全てを見透かしたような目を眼鏡越しに向ける生徒会長、まさしく蛇に睨まれた蛙。
「疑問は確信へ変った、君はいわゆる変態だ、それも無機物好きの」
「……眼鏡を無機物だなんて言うな、もはや芸術に値するものだ」
「それはすまないね、別にどうこうしようってわけじゃない、君の返事次第では」
「返事しだいって……」
「生徒会のメンバーが一人逃げてしまってね、その代わりに君が入ってくれればこのことは伏せておくよ、それとは別に報酬も考えておくどうだい悪い話じゃないだろ?」
「つまり俺に生徒会に入れと?」
「そうだ」
この霜月学校では生徒会長以外の生徒会役員は生徒会長の任命によって決められる、無論メンバーを変えることも生徒会長次第だ、しかし疑問が残る。
「どうして俺なんですか?」
「駒はより忠実な方が使いやすいだろ? キングに急に背を向けるナイトなんてあってはいけないんだ、それに私は君の弱みを握っている、それだけで十分だろ?」
悪魔のような微笑を向ける会長。
「いい返事を待っているよ、もしその気があるなら放課後に生徒会室に来てくれ」
謎、ただそれだけを残して生徒会長は去ってしまった。
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