鑢鏡の逆襲その③
「侵入者だ、つまみ出せ」
体格のいい男達の手厚い歓迎、最大限の敬意を持って対応する必要がありそうだ。
「お邪魔しますよ」
走ってきた奴をまずあいさつをする。その後を走ってきた奴に一礼をする。
「何だこいつ、化け物か」
もう動けないはずの体のどこから力が出ているかは分からない。だけど動いてくれている、それだけで十分だ。
「オラッ」
5人目を倒し終わると同時にどこからかいかつい男が現れる。
「何事だ」
「どうも、お邪魔しています」
近くの奴を締めながら対応をする。
「誰だ貴様、何しに来た」
「俺は通りすがりの眼鏡フェチだ、ここにいるお嬢さんを拝みに来ただけだ」
「誰だか知らんが、ここに殴りこんできたってことは覚悟は出来ているんだろうな?」
「もちろん」
この口ぶりからしてこいつが親玉、つまり小雪の父親。まだ足も動いてくれる、距離は開いているが十分踏み込める。
「ドラアァァッ」
一気に距離を詰める、後一メートルもしないで手の届く距離で何かが行く手を阻んだ。
「如月先輩!?」
「先輩? ああ、お前は確か生徒会の庶務の、俺を修と勘違いしているようだが違う、俺は修の父親、如月轟だ」
「そんなこと知ったことありません、そこをどいてください」
「断る」
「なら容赦はしません」
俺の回し蹴りは手で押さえつけたれる、同時に死角から脇腹に一撃を与える。如月先輩の教えてくれた技の応用だ。
「ぐっ」
体勢が崩れた隙を見て、小雪の父親に近づき関節を取る。
「動かない方がいい、折りますよ」
「しまった」
如月轟が体勢を立て直す頃には決着はついていた。
「さて、だからどうということはない……ので……すが」
急にめまいに襲われ、倒れこんでしまう。今まで体に無理をさせたつけが回ってきたのだろう。
「く……そ」
静寂がしばらく続いた後、如月轟が口を開いた
「こいつをどうしますか?」
ここに乗り込みこれだけのことをしでかした、それだけで十分な制裁を受けることになる。
「傷の手当てをして、応接間に寝かして置け」
「はい?」
意外な答えだった。
「聞えなかったか?」
「いや、ただいま」
どういう思いでそんな命令をしたのか、その真相はまったくの謎だ。
「面白い男だ」
そうつぶやき田所辰巳は自分の部屋へと戻った。
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