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この後寿司屋連れてってもらった。

第7章 だって僕 男の子だもん!!


「スカマネはやっぱり僕の衣装どうにかなりませんか?」

「もう!名前教えたのに、なんでスカマネ呼びなんだよ。ダメだよ。君意外とレッスン積んだら筋肉質になっちゃったから足は綺麗だけど見せられないよ。」

いやスカート履くと思ってたから全然ズボンで嬉しいんだけど。

タイツに、カボチャパンツ。丈の長い上着の横に付いたヒラヒラが被さって横からはスカートに見える構造で可愛いんだけど。男が着るにはきつい。あかねちゃんのため。あかねちゃんに会うためだ。でも文句は言いたい。

「この横のヒラヒラ捌くの難しいんですけど。この猫耳。」

猫耳はなんで必要何ですか?

「それ無くなったら、髪の長いメンズアイドルになってしまうだろ。いっぱいリボンは着いてるけどね。猫耳は可愛いからって私からじゃなくて、デザイナーからのプレゼントだよ。」

リボンが至る所に散りばめられてるこの衣装はとにかく引っ掛けやすい。

手袋は今は外してるがこれにも先の長いリボンが着いている。靴にもカボチャパンツにも背中にも、髪にもリボン。これ毎回付けてメイクするの大変。

「今回の仕事で私たちは総決算だ。君のユニット所属が決まる。今は順位としては3位、1位には届かなくても今回で爪痕を残すぞ。そのためにこのイベントに俺は君を猛プッシュしたんだからね!わかったかい!僕は君に可能性を感じてるんだよ!?」

「はい。」

「もう!わかってるんかいー?」

同期の紫の衣装の子が多分トップなんだろうな。名前覚えてないけど。

「さぁ着いたよ。ブランくん。ここが我社の最大イベント。アイドル総選挙の会場だよ。君みたいにデビューして間もないアイドルは君の同期と君だけだ。それだけ君は人気である自覚を持つように。」

「僕なんでそんなに人気なんですか?」

「そりゃ私がSNSをしっかり運用したからね。メイク動画は今や30万再生。フォロワーだけならあかねちゃんと同じぐらいいるよ。ただ、アイドルとして見られてると言うよりは面白いから見てるって感じだからアイドルとしての人気は伸び悩んでる感じだね。」

えっ?僕のアカウント会社に預けてからどうなってるの?

たしかに色んなことさせられた覚えはあるけど。

急になぞなぞかけられたり、これ出来たら特別ボーナスとか言っておいて成功しても取り上げられたり。えっそう言うこと!?

「えっ今までの悪ふざけSNSのためだったんですか!?」

「私が悪ふざけする理由が逆に他に何があるんだよ。」

珍しくスカマネに呆れられた。


程なくして会場入りした僕はとてつもなく緊張していた。

これであかねちゃんとユニット。あかねちゃんとユニット!!

あかねちゃんとユニット? あかねちゃんと?ユニット!?

「ぐへへ」

「おいこらアイドルのしていい顔じゃないぞ。」

ポコっと頭を叩かれた。スカマネだった。

「マネージャー。痛いです。」

「全く、もうすぐ出番だからステージ裏行くぞ。」

僕はまたもや前座。いや身の丈には合わないがファンを増やすいい機会を頂いてる。頑張らないと。

(((((((ウォーーー!!))))))))

前の人が終わったみたいだ。あっあの紫の衣装は同期の子だ。

ステージ裏に戻ってくる。

えっ客から見えなくなった途端こっちすごい表情で見てるんだけど、こっち来てるんですけど?

ドン!

背中を掴まれて後ろの壁に押し付けられた。

「あんたなんでいつもいつも個室なの?先輩でさえ大部屋なのに?何様?私の方が人気なのに事務所に押されてるからって調子乗ってるんじゃ無いわよ。」

こっ怖……。いやえ?もしかして男ってこと知らないのか?

「シオン」

「え?」

「私の名前 シオン って言うの。この事務所のトップになるんだから。」

そっそうなんですか。

「気に食わない。 あんただけはぶっ潰すから。」

え〜。

「ハハッ好かれたもんだね。」

「いやどこをどう見たらそう見えるんですか!?」

(続きまして、SNSにて人気の高い!「こんな僕でもアイドルになりたい!」で有名なブランくんの登場です!!)

「ほら出番だよ。行っておいで。」

「あっちょっと。クソマネ!!」

(((((((ウォー!!!!))))))))

ステージの前に出てしまった。

出たからには僕はアイドルだ。課された仕事をこなすだけ。

「みんな!ふわふわ ブラン!よろしくね!!!!」



第8章 細い所を抜けるのは得意。


出だしはいい感じ。無理やり送り出されたけど、持ち直してきた。

デビューに比べて体力が着いたからあと2曲全然いける。

「次は僕のデビュー曲!ねこはねこなのだ!行くよー!!」

(((((((フゥーーー!!))))))))

音楽がかかって、ポーズをとる。

さぁここから。

「僕は〜♪」

ブツンッ

なっ!?

音楽が止まった。ライトも消えたけど、昼のライブだから明かりは大丈夫。

恐れるな。歌える。耳のイヤホンから状況が聞こえる。機材トラブルのようだ。

(聞こえるか?ブラン。行けるか?)

イヤホンにマネージャーの声が入った。

何言ってるだよ。僕は今日、あかねちゃんの横を獲得しに来てるんだ。

できない訳ないだろ。上等だ!!

「やってやんよ」

音楽が止まって、びっくりしている観客に僕は笑顔を向けた。

「大丈夫!気を取り直してもう一度!ねこはねこなのだ!」

アカペラでマイクも使えないけど精一杯歌ってやる!

「僕は猫!白い猫!」

観客も乗ってきてくれてる。曲も中盤に差し掛かってきた。

歌ってくれる人!手拍子してくれる人!みんなが僕を見ている。

「どちらかって言うと可愛いって言って欲しい〜の!」

(機材回復しました!いつでも行けます!)

(サビが近いそこで入れてくれ!)

(はい!)

機材ももうすぐ治る。ここからが本領発揮だ。

「言ってくれる〜?はい!せーの!」

(((((((可愛い!))))))))

「もーもっと!」

(((((((可愛い!))))))))

「ありがとう!」

(ミュージック!)

音楽が戻ってきた。照明も。行ける!僕はもうアイドルだ!

「猫は猫!僕は猫! でもそこら辺の猫と一緒にしないで!可愛いでしょ!見つけて!僕はブラン!ブランなの!名前を呼んでよー!」

(((((ブラン!)))))

いいぞ!曲ももうすぐ終わる。

デデーン♪

(((((フゥー!!!!!!)))))

「ありがとう!!!!」

乗り切った!

「さぁ!最後にもう一曲!今日が初めてのお披露目です!」

この曲はイントロが長いからこの間に曲名!

「僕は最カワなんです!」

(((((((きゃー!!!!!))))))))

予想よりでかい声出して疲れたな。

この後絶対(ぜってぇ)スカマネに寿司奢らせてやる。



第9章 ユニコーンカラーズ ゲートイン!


あのライブは伝説になった。デビューしたての僕が事務所主催のアイドル選挙で50位になった。メジャーデビューしているアイドルもいるし、今回不参加の先輩アイドルも居るが、それでも100人は越えるアイドルが集うイベントだ。そこで50位と言うのは快挙である。


晴れて僕は同期ランキング1位となり、危なげなくユニット所属を果たした。

そして……。

「グギギギ」

隣にいるシオンちゃんもだ。

めっちゃ見てる。綺麗な顔にシワが……。綺麗なのに綺麗じゃない。

「そうカッカしなさんなって。なぁブランくん」

ユニット結成の顔合わせでこれで上手くやって行けるのかな。

なんかマネジャー楽しそうだし

「ランキング抜かされたの気に食わないんだけど。しかも機材事故なんてたまたまじゃない。私だって負けてないんだから。………。」

怖いよ。ずっとボソボソ言ってるよー!

ユニットメンバーは全員で6人。

あかねちゃん、しおんちゃん、僕、

カラーリング的には赤、紫、そして青の僕、

ということは緑とか?いやでもグループになったらカラー変わるかもしれないしな。

「遅れてごめんなさい!みどり到着しました!」

ほんとに緑きた!

「遅れてないし大丈夫だよー!さぁさぁ席について。」

マネージャーが立って入ってきた女の子を座らせた。

「鮮やかな光に包まれて、爽やか!みどりです。よろしくお願いします。」

これで4人目のメンバーがわかった。いやメンバーも気になるけど1番気になるのはあかねちゃんなんだって。あかねちゃんどこ!?

キョロキョロしてる僕を見たマネージャーがなんか察したのか。

「あかねちゃんは今日来ないよ。」って言ってきた。早く言ってよ!?

ガチャ……

誰か来たもしかして!!

「「遅れました〜」」

誰だ!?

「おー来たか!モノクロ姉妹!」

ガタッとマネージャーじゃ立ってまた席に案内した。

双子だと思う。顔は同じだが髪色と肌がちがう。1人は白い髪のボブのような髪型に白い肌。かたや1人は黒いストレートヘヤーに黒い焼けた健康的な肌で真逆。2Pカラーのようだ。

「「モノクロ姉妹じゃなくてシスターズです。」」

もしかして……ゲームから出てきた?

「シロエ」「クロネ」「「よろしくお願いします」」

……黒い方の子がシロエちゃんで、白い方の子がクロネちゃんね?

いやなんでだよ!?

「「名前覚えにくいと思いますが、よく間違われるので、どっちかで読んでくれたら振り返ります」」

「「さっきっから私が言ってるのに、被せないでよ」」

「「はぁ!?」」

「「あっ……」」

「「はぁ……」」

呆れたようなため息をついて2人とも黙ってしまった。

それにしても息ぴったりだ。モノクロじゃなくてシンクロシスターズだ。

「よし!揃ったところで!」

席に案内してから何やらホワイトボードにいろいろ書いていたマネージャーが動き出した。

「これからユニコーンカラーズとしてやっていくメンバーだ!よろしく!ちなみに僕は君たちを任せられたユニコーンカラーズのマネージャーだ!ブランのマネジャーも兼任している!これからの活動方針だが、まずはSNSのチャンネル開設だろ?それで、デビュー曲の練習。それからユニットカラーの決定!それに……」

真面目な話が始まったなと思った。しばらく流して聞いていた。

「皆を地上波に出演させるぞ!きつい仕事になるがよろしく頼む!特に、ブランくん!お前は体力あるから頑張ってもらうぞ!」

えっ……。何させる気ですか?

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