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猪突猛進の果て

第3章 ねころび 寝起き


えーアイドル事務所を全部受けた結果。

不合格!!!!ことごとく不採用!!!!なんで!!!

「そりゃそうでしょ。」

母さん……。

「考えてみなさいよ。募集要項 に女性って書いてあるでしょう。それに、女の子と一緒だと、何かあった時にいちばん疑われるわよ。それに、男で女の子の衣装って男性アイドルイベントに呼んでいいか、女性アイドルイベントに呼んでいいか分からないでしょ?それに貴方無職だし。」

……確かに。グスン。いままでの自分が憎い。

早くも前途多難だ。

「うわ───ん!!!!どうしよう。」

母さんが目の前に座る。

「とりあえず、普通に働いてみない?それに、高校も今なら途中からだけど間に合うわ。」

古今東西、母親の言うことは間違いない。

「わかったよ。母さん。」


程なくして、僕はコンビニバイトを始めた。高校にも通うこととなった。

我ながらトントン拍子で怖い。

「疲れた───────。」

リビングの椅子に座り背もたれに体を預ける。

事務所に所属できないなら、個人で……出来るかな。

顔はいい自信はある。なぜなら母似で母さんはびっくりするぐらい美人だ。

それはもうべらぼうに美人だ。

どうやったらアイドルになれるかな。メイク……。そうだ!メイク道具を買おう。

「ということで買ってきました!メイク道具!!!!」

分からなかったので百均で片っ端から買ってみました。

バイトの給料飛んだけど悔い無し!!

「アカネちゃんはメイク上手だし、隣に立つなら立てるだけのビジュアルで挑まないといけないよな。

ぐへへへへ」

おっといけない。汚い笑いが。

アカネちゃんの為ならなんでも出来るでござる。

「よーーーーーし やるぞ!!!」

タイトルは


《初配信!!アイドルになりたい僕の初メイク!》


よし!


(おっサムネ通りすっぴん可愛い!)

(お邪魔します!)

(アイドルなれるね。)

(可愛い!)


「初めてまして!アイドルになりたくて!でもメイクをしたことないことに気がついて!今日百均で全部揃えてきたのでやってみようと思います!!」


(がんばれー)

(大丈夫か?)

(アイドルになりたいけどメイクした事ないは草)

(かわいい)


「では早速やっていこうと思います。」


(待ってせめて下地塗ろうぜ?)

(それ、アイシャドウちゃうチークや)

(ハイライト塗りすぎてオペラ歌手みたいになってる笑笑)

(とりあえずアイライン引いて!そして眉毛を塗れ!)

(スティックリップコットンにつけてから塗るのは初めて見たw)

(山姥やん)

(元がわからんぐらいゴテゴテメイクになってる笑笑)


「出来ました!!!!!」


(いや待て)

(やばい。)

(すっぴんの方が可愛い珍しい例)

(ネタ?ネタだろ?ネタだと言ってくれ)

(似合ってない)


「えっ似合ってない?」


((((((うん))))))


「そんな〜!!!!」


(とりあえず落とそう)

(賛成)

(メイク落としな)

(今来たからすっぴんみたい)

(面白すぎ)


「じゃあメイク落としていきます。」


(待ってそれコットンやろ?)

(まさか)

(嘘だと言ってくれ)


「あれ?落ちない。」


(メイク落とし使いなよ。)

(嘘だろ笑笑)


「え?メイクってメイク落としがいるの?ママーー!!!!」


(えーー笑笑)

(ガチかこれ)

(神回)

(ママ倒れるんじゃないか)

(ママ笑笑)

(メイク道具だけの画面のまま放置するなよ笑笑)

───ととととと────。

(おっ?)

(戻ってきたな)


「落ちないので今日はここまでにします!!」


(マジかよww)

(メイク落としだぞー)

(第一印象山姥)

(草)

(www)


「以上!アイドル目指してる。ブランでした!」


(がんばれー)

(初配信おつー)

(これは期待)

(伸びる気がする。)


ブツッン。


やべぇ〜。やらかした。

勢いのまま行動しすぎた。

どうしよう。仕事から母さん帰ってくるまでこれ落とせないじゃん。

とりあえず寝よう。こんだけ落ちなきゃ寝ても大丈夫だろ。


その後母さんが帰ってきて、顔面と汚れた布団を見て悲鳴をあげることになる。



とあるネットのスペースにて


(ブランとかいうアイドル目指してる子のメイク動画が面白いから見て欲しい。)



第4章 ニャンだそれ!!!


「嘘だろ……。」

絶賛コンビニバイトの休憩中である。

自分のスマホに映る。初配信のアーカイブ動画、なんと5000回再生!?!

「ふぅ───────」

見間違いか?……いや0ちゃんと4つあるな。

4つ!? 50000!?……5万!?

まじかよ。バズってやがる。

何がどうなってこうなったんだ。実際に配信に来てたのは30人ぐらい。

それでも入ってきた人のカウントだから同じアカウントが1回出て入ってもカウントは増えるし───────うーん。

理由は分からないが顔が知れ渡ってしまったということだ。

「おーい、いつまで休憩してるんだよー。」

はーい。店長に呼ばれてしまった。とりあえず仕事に戻ろう。

はぁでも、このコンビニ、業務内容は多いが

来店する人は少なくて良いんだよな。

レジ打ちも1人できるようになったし、桜も今は立派な葉桜だ。

レジでタバコの開封作業をしてると珍しく人が来た。

タバコのカートン開けてバラにするの楽しいから邪魔されたくなかったな。

なんて思ってたら。

「ブランちゃんだよね?!ここでバイトしてたんだね!おうち近いのかな?やっと見つけたよ!実際見ると素顔がいちばん可愛いね。」

なっ……。

「ブランちゃん。握手してくれないかい?ファンなんだ!!」

なんだこのオッサン!?

「おっお客様?そのようにされると困ります。それに、握手はそういう機会を設けますのでね?」

ここはとりあえず穏便に……。

「そんな事言わないでね?握手しよう!そうしたら今日はすぐ帰るから!!」

今日はってことはまた来るのか!?

「そんな困ります。」

「何事でしょうか?」

店長!!!!!

「あっいやブランちゃんに会えたので、握手をと思いましてね。彼は急に現れた期待の新星なんですよ!でっ!ブランちゃん!握手会とかチェキ会の予定はあるの?!早く告知してよー!」

うわ勝手に手握ってきた!!!いい感じに脂の乗ってる感じが嫌だ!

助けて店長……。

「申し訳ないのですが、うちでは店員の接触は控えて頂けますかな?」

「あっすいません。つい。」

店長!!一生ついて行きます!

「ここは他の方も利用されますので、店員個人に用があるようなら、仕事の終わった時にお願いします。これ以上レジの前でたむろする様なら相応の対応をさせていただきますよ。」

もっと言ってやってください!店長!!

「俺以外に人も居ないし、いいじゃありませんか?お願いしますよ。ねぇブランちゃん。」

うるせぇー!俺に同意を求めるな!

「警察を呼びますよ。」

「チッ」

決まった!伝家の宝刀!!!!サツ ヨブゼ!!

ファンなのは嬉しいけど、あーゆうのは御免だな。

「ブランくん?」

「はい!店長」

「ブランくん。君はバイト辞めなさい。」

もしやこれはくっ……。

「このままでは君の身が危ないだろう。今日も帰るのは誰かに迎えに来てもらって出来るなら車で帰りなさい。最悪私が送ろう。」

クビ宣言だ〜!!!!嫌だ!さっき一生ついてく宣言したもん!!!

「そんな!店長一生ついてきます!!!!」

「バイトを辞めて、ひとりで行動しないように。何かあっては店の評判に関わるし、君が有名になったら店の宣伝をしておくれよ。」

普段厳しい。イケおじ店長もこういう時は好き〜!!!!!

「わかったかね?」

「はい!店長このご恩は一生忘れません!!」

こうして、短い期間だが、アルバイトを辞めることになった。

最後のバイトは母の迎えで家に帰ることになった。母は店長に、迷惑をかけたこと、短い期間でバイトを辞めることになったことに何度も頭を下げた。

確かに、店側としては不利益な事柄だ。店の評判も落ちるかもしれない。俺も申し訳なくなって、頭を下げた。

店長は……と言うと。「前も似たようなことがあったから気にしなくていい。」

と言ってくれた。

前もって誰か有名人でも働いてたのかな?

家に着いて、そう思っていた矢先。

家のチャイムがなった。母を出す訳には行かない。

相手が男なら、おれの方が対処出来るはず。さっきのキモイおっさんならどうしよう。

なんて考えたが杞憂だった。

「はーい」

扉を少し開けた所で手が滑り込んできた。

ガッ!

ガッ!?!!!

「初めまして!ブランくんだね!!君!事務所に所属してみないかい!!」

はぁ!?????

出てきたのは絵に書いたような胡散臭いプロデューサー風のあんちゃんだった。

「君なら有名に乗れるよ!!!その天性のビジュアルに、アホっぽい感じ!!最高だね!」

誰がアホだ!!!まぁ否定出来ないけど!!

「さぁ!話を聞いてくれ!ブランくん!!」

「ブラン?大丈夫?」

やっべ!!

「かぁさん!!!来ないで!!!」

「あっお母様!!ちょうど良い所に!!」

オタクの次はどこかわからん様な事務所かよー。

とりあえず今日の配信内容は「学校やバイト先、家にくるのはやめて!」だな。

考えるのはやめた。

ブランはフランス語で白

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