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第七十二話

教室に戻るも、生徒たちはパニック状態だった。

授業開始のチャイムが鳴るも、静寂になることはなかった。

その状態を横目に、自分の席に戻る。


しばらくすると、教室に担任がやってきた。

「静かに!」

 その一声で、教室が静まり返る。

「今日はもう下校で!そんじゃ!」

 担任はそう言って教室をそそくさと出ていった。

「うおおおおお!」

 教室に歓声が上がった。

もう和寿の件は頭にないだろう。

 生徒たちはそれぞれの荷物を持ち、教室から出て行った。


黎慈は景佑の元に向かう。

「一旦、空き教室に向かおう」

「ああ」

 二人は空き教室に向かうことにした。


教室に入ると、すでに衣百合がいた。

「あの後、和寿は自首をしたらしい」

 衣百合は教室の扉が開いた音に気がつき、下を向いたまま話し出す。

「私たちがあいつの動向にとやかく言うのは違うんだけど…」

 二人は椅子に座った。

 言いたいことはわかる。

『本当にこれで良かったのか』って。

 和寿がしたことは、法で罰せられるべきだ。

ただ、あいつ以上に罰せられるべき人間がいるはずだ。

 身近にいたのが和寿だった。

それだけだ。

「あいつは…」

 黎慈は言葉を出そうとしたが、何を話せば良いのかわからない。

和寿が起こした罪は、過去の出来事に起因するはずだ。


結局、三人は沈黙のまま解散をした。


黎慈は帰宅しながら、和寿について考え始めた。

今更、温情をかけるのはお門違いなのはわかっている。

 だが、過去を知っている手前、やはり…

「ポンっ」

そう考えにふけていると、誰かに背中を軽く叩かれる。

後ろを振り返ると、背後には亮がいた。

「よっ!」

 現状を知らない亮は、早帰りでかなり浮かれていた。

「せっかく早く帰れるのに、背中落としすぎだっての」

「な!どっか飯食い行こうぜ!」

 黎慈は亮に言われるがまま、ついて行くことにした。

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