第七十一話 自白
その後一週間、特になにもない日常が続いた。
三人はこの状況に違和感を感じていたが、その時が訪れる。
二時限目の終わり際、黎慈のスマホのバイブが鳴る。
『今日、和寿が学校にいるらしい』
スマホの画面には衣百合からそう送られてきていた。
あの出来事があってから約一週間、それまで顔を出さなかった和寿。
もしかしたら、このまま進展がないのではとも考えられた。
『分かった。景佑に言っておく』
衣百合にそう返信しておく。
しばらくすると、授業が終わるチャイムが鳴る。
「おっけい!今日はここまで」
教壇上にいる教師がそう言うと、生徒たちは各々自由にやりたいことをし出した。
黎慈はさっきの情報を知らせるためにも、景佑の席に向かう。
どうやら寝ているようだ。
黎慈は景佑がいる机を指で二回叩く。
景佑はその音で起きたようで、眠そうな目を擦りながらこちらを見る。
「ちょっと来い」
黎慈は景佑に小声でそう伝える。
そして、二人は教室からある程度離れた廊下に出た。
「いきなり呼んでどうしたんだ?」
黎慈は真剣な表情で話し出す。
「今日、和寿が来ているらしい」
「!?」
景佑は驚嘆の表情をしていた。
「おそらく、今日中に事態が動くはず」
「キーンコーンカーンコーン」
そう話していると、放送のチャイムが鳴った。
『もしかして…』
黎慈の予感は、すぐに的中した。
「二年生担当、主任の夏樹 和寿です」
やはり、和寿であった。
「生徒、並びに教師の皆様に謝らないといけないことがあります」
「ご存知の方もいるかと思いますが、私は大罪を犯しました…」
放送越しではあったが、泣いているような声色が感じ取れた。
「この学校で起きてた行方不明の数々」
「その原因は全て私にあります…!」
「この罪は我が身を持って謝罪致しますっ…」
「誠に、申し訳ございませんでした!!!」
放送越しに鼻を啜っている音が聞こえてくる。
その直後、放送にノイズが入る。
「ちょっと!落ち着いてください!和寿先生」
どうやら他の教師の声らしい。
放送で暴れている音が聞こえてくる。
「この罪は、身をもって償わせていただきます!」
その声を最後に、放送は切れた。
「…どうなるんだろうな」
放送が終わり、景佑が話し出す。
「俺らはできることをしたんだ。後は本人に任せよう」
「そうだな」
二人は授業開始のチャイムが鳴る前に教室に戻った。




