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第七十話

 黎慈はスマホのアラームと同時に起きた。

だが、夢の世界での疲労感が抜けない。

 あれだけのことがあった後だ。

無理もないだろう。

 眠たい目を擦りながら、着替えてロビーに降りる。

ロビーにはすでに衣百合がソファーに座っていた。

 机には朝食が用意してあった。

黎慈は朝食を食べる前に、衣百合が座っているソファーに隣り合わせで座った。

「…どうだった?」

 黎慈がソファーに座ると、本を読んでいた衣百合が話しかけてきた。

「…なんとか大丈夫そう」

 黎慈は笑顔でそれを伝える。

「念の為、昼に集まろうか」

 夢の世界で更生をさせたとは言え、現実で和寿が存在している確証はない。

今日、なにも進展がない可能性は十二分にある。

「分かった」

 二人はそう話し、朝食を食べて学校へ向かった。

通学途中、景佑に連絡をする。

『今日、昼に集まろう』

 そう送る。

すぐに既読がついた。

『分かった。衣百合も一緒か?』

『ああ』

『分かった。また後で』

 景佑からそう帰ってくると、黎慈はスマホをしまった。


学校内の雰囲気は、昨日と特に変わらなかった。

 教室に着くと、景佑がすでにいた。

黎慈と景佑は目を合わせた。

 


その後、特になにも起きずに昼休みになった。

 黎慈は景佑と共にそのまま空き教室へと向かう。

中に入ると、すでに衣百合がいた。

 二人は近くにある椅子に座る。

「…なにも起きないな。不自然なくらいに」

 景佑が顔を下げながら話し出した。

「ああ…」

 黎慈もそれに呼応するように返答する。

「どうやら、学校に来てないらしいんだよね。和寿」

 衣百合から出た衝撃の言葉に耳を疑う。

「まだ待つ必要がありそうだな…」

 三人はこの結論に達し、空き教室を後にする。


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